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ベンチャー投資会社 Loup Venturesの共同創設者Gene Munster氏は、アップルが電気自動車の生産を開始すれば、間違いなくテスラに対する強大なライバルになるだろうと考えています。CNETのインタビューに応じたMunster氏は、アップルが持つソフトウェア技術は素晴らしいものであるものの、自動車を作ることに関しては駆け出しの未経験者にすぎないと述べています。それでも、テスラのライバルになるのは実はこのテック・ジャイアントだと主張します。

Munster氏は長年アップルとテスラの動向を追ってきた経験から、両社のビジネスモデルを深く理解しており、テスラを自動車メーカーというよりはGoogleやAmazonのようなテクノロジー企業だとみなしています。実際、イーロン・マスクCEOの経歴やテスラの運営のしかたを見ればそれは間違いとは言えません。

一方、アップルが自動車の世界に足を踏み入れようとしていることはいまや明らかです。Munster氏は「Appleが何かの準備に取り組んでいるときと、それが日の目を見るときを区別することが重要です。Appleが車を作るという野心を持っていることは非常に明白です。半年前はまだそれがはっきりしていませんでした」と述べています。

たしかに、半年前の時点ではまだアップルのEVが本当に出るのかは誰もわかりませんでした。しかしいまやヒュンダイとの交渉のうわさが伝えられ、その後、他の自動車メーカーとも交渉しているとの報道が相次ぎ、アップルが具体的に自動車を生産しようとしていることが明らかになっています。

自動車業界は、様々な業種の中でも新規参入が難しいことで知られます。しかし伝え聞かれるアップルと自動車メーカーの交渉のうわさからは、このコンピューター企業がたとえばヒュンダイとの交渉がご破算になっても、自動車業界に踏み込む意思を持っていることが明白です。Munster氏はアップルにとってそこには桁違いの大きさの市場があり、アップルが求める成長の余地があるとしました。そして、アップルの参入はテスラを最大の脅威に直面させるだろうと述べています。

またアップルが手がけるからには、他社製のテレビが搭載するApple TV+アプリや自動車が搭載するCarPlayのようなその製品の一部の機能でなく、製品で得られる「魔法のような体験」全体をデザインするだろうと述べ「自動車の未来はハードウェアだけでなくソフトウェア、そしてサービスの上に成り立つ」と予想、アップルが最もうまくやってきた分野だとしました。

もしMunster氏の言うようにアップルが自動車のすべてを自由にデザインするのなら、既存の概念を打ち破る何かを備えたものになることはわれわれ一般人でも(具体的にではないにせよ)想像できます。もしかすると、MacBookやiPhone、iPadなどで培ってきたバッテリー制御技術がEVのバッテリー性能を引き出すのにも役立つかもしれません。アップルがProject Titanの名で開発してきた自動運転機能に関しても、どこよりも先進的なものになっている可能性もないとはいえません。

ただ、アップルが自動車に算入するためには、その開発および製造の経験と設備を持ち、アップルブランドEVのOEMを引き受けるパートナーが必要です。先週JPモルガン出した情報では、ルノーがアップルとの提携の有力な候補に浮上していると述べられていました。ルノーはこれまでも他社との提携経験が豊富なうえ、欧州で余剰の生産能力を持っており、ここにアップルからの生産を割り当てることができます。また、すでにアップルとの交渉で名前が出ている日産ともアライアンスを組んでいます。

現在の販売台数首位のVWは、ヘルベルト・ディースCEOがアップルカーなど「恐るるに足りぬ」と述べていることからも、アップルとの提携の線は見えません。トヨタも、長年生産世界一を維持してきたハイブリッド車を軸としたビジネスモデルに競合する他社ブランドEVをわざわざ手伝うことはなさそうです。とすれば、アップルが世界で自社ブランドの自動車を売るために手を組みたい本命はルノー日産三菱連合が現実的とも思えます。

なお最新の情報としては、Reutersなどが日産自動車がアップルとはもはや交渉していないと述べたと伝えました。となると、アップルと手を組む自動車メーカーはどこになるのか…?まだしばらくはあれこれ予想する楽しみが続きそうです。

Source:Cnet

via:InsideEVs