MR Headset
The Information

アップルがMac Pro的な高級VRヘッドセットを開発中との噂が報じられていましたが、新たに超高解像度の8Kディスプレイを搭載して価格は約3000ドル(約31万6000円)になるという具体的な予測が伝えられています。

独自スクープに定評ある有料メディアThe Information記事によると、アップルが開発しているのは主にVRではあるが現実世界とAR(代替現実)を重ね合わせるMR(Mixed Reality/複合現実)ヘッドセットだと主張されています。すなわち装着している人の手の動きを追跡しつつ現実世界の映像を取込むために十数台の外部カメラや、2台の8K画面と高度なアイトラッキング(視線計測)技術が搭載されているとのことです。

なぜアイトラッキングが必要かと言えば、ユーザーの周辺視野(注視の中心から外れた場所で発生する視覚)では低品質のグラフィックを表示するに留めることでデバイスのコンピューティング負荷を減らせるため。アップルは何年もかけて、アイトラッキングによりユーザーが注視している画面の一部のみを完全にレンダリングする技術に取り組んできたと述べられています。

しかし8Kディスプレイを2台も搭載すると高価になることは避けがたく、アップル内部では自社のハイエンドラップトップ(16インチMacBook Proなど)の開始価格を上回るものの、マイクロソフトのMRヘッドセットHoloLensの3500ドルよりは安い3000ドル前後の価格設定につき議論があったと伝えられています。

さらに実際に「社内の後期プロトタイプの画像」を見たことに基づく、というレンダリング画像も掲載されています。それはメッシュ素材と交換可能なヘッドバンドにより顔に取り付ける、洗練された曲線のフォルムを持つバイザーを備えたもの。昨年(2020年)末に発売されたAirPods Maxに、どこかしら近い印象を受けます。

この価格だけに一般消費者向けではなく、主に企業向けを狙っているとも示唆されています。具体的には「生産性を向上させ、旅行関連コストを削減します。リモートコラボレーションを通じて従業員の満足度を高め、両手を使って自由にタスクを完了できます」といった仕事の効率アップや、インタラクティブな方法による新たなスキルのトレーニング、デザインや販売関連の3Dアセットを現実の世界でホログラムとして視覚化したりと、自宅勤務でも職場にいるかのように作業ができることに主眼が置かれている模様です。

その一方でアップルは、軽量のスマートグラス(メガネ型デバイス)にも取り組んでいるとのこと。The Informaitonはそちらは高い技術的ハードルに直面しており、リリースが数年先になりそうだと述べつつ、アップル社内で「ヘッドセット型は2022年に出荷、2023年までにメガネ型を出荷を希望している」と語られていたとの以前の記事を再確認しています。

おそらくアップルは高価なVRヘッドセットを先に出し、後の消費者向けApple Glass(メガネ型デバイスの仮称)の足がかりにするとも推測されます。これまで競合他社も企業向けとしてMRデバイス発売にこぎ着けながらも、より安価な消費者向け製品を出すには至っていませんが、アップルがその壁を越えられるかどうかに注目したいところです。

Source:The Information

via:9to5Mac