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アップルが持ち物検査を勤務時間外に受けさせられた従業員による集団訴訟につき、2990万ドル(約34億円)を支払うことに合意しました。

本訴訟は2013年に提起されてから8年以上にわたって一進一退を重ねた末に、ようやく決着したかっこうです。なお米9to5Macによれば、アップルはこの物議を醸した手荷物検査のルールを2015年に廃止したとのことです。

原告側の主張によれば、アップルストアの従業員は店を出る前にバッグ、財布、バックパック、ブリーフケース、個人所有のアップル製品などの検査を受けるよう要求されたとのこと。この検査が完了するまでシフト後に45分も待たされることがあり、その間の賃金は支払われなかったと述べられています。

かたやアップル側は、従業員による盗難防止のために必要だったと主張しています。興味深いのは、ティム・クックCEOがこのポリシーの存在を知らなかったこと。2人の従業員がクック氏にセキュリティー対策と称した持ち物検査は不愉快で屈辱的だと直接訴えたとき、クック氏はそのメールを人事部の幹部に転送し「これは本当ですか?」と尋ねたことが訴訟で明らかとなっています

この集団訴訟は一度は棄却されたものの、その後に控訴されました。その後に長い歳月をかけて争われ、2020年2月に米カリフォルニア州最高裁が従業員らの訴えを認め、持ち物検査にかかった時間に対して賃金を支払うようアップルに命じる判決を下したしだいです。

そして今月12日(米現地時間)、アップルは持ち物検査が行われていた店舗の従業員に2990万ドルを支払うことに合意したとのことです。もっともアップルと原告との合意は、今後、米地裁のウィリアム・アルサップ判事の承認を得る必要があります。

裁判関連ニュースメディアCourthouse Newsによると、集団訴訟の原告には約1万2000人もの現役および元アップルストア従業員が含まれているとのことです。そして記事執筆時点では、和解に応じた原告側は、1人あたり最大約1200ドル(約136万円)を受け取ることになると伝えられています。

アップルにとって人権を守ることは、企業価値の不可欠な一部でもあるはず。同社は毎年、サプライチェーンでの人権保護などの進捗を報告していますが、この集団訴訟も自らの直営店で働く人々の環境を改善する良いきっかけとなったのかもしれません。

Source:Bloomberg