Employees relax and use their phones at an open air area during lunch break at a Pegatron Corp. factory in Shanghai, China, on Friday, April 15, 2016. This is the realm in which the world's most profitable smartphones are made, part of Apple Inc.'s closely guarded supply chain.Shanghai Factory Workers
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アップルがiPhoneなどの主要サプライヤーの1つPegatronにサプライヤー行動規範に対する違反があったとして、新規取引を一時停止したことが明らかとなりました。

Pegatronとは台湾に拠点のある電子機器製造会社であり、iPhone 11シリーズの製造やiPhone 12の開発にも関わり、iPhone SE(2020)の生産も請け負っている企業です。新型コロナ感染拡大の当初には、その生産ラインに対する影響が懸念されたこともあります。

Bloomberg記事によると、アップルは数週間前にPegatronがサプライヤー行動規範に違反しており、それを隠ぺいするために書類を改ざんしていたと発見したとのこと。具体的には学生労働者を不適切に分類し、夜勤や残業、場合によっては専攻とは無関係な仕事を許可。さらにPegatron社内の学生労働者プログラム監督責任者が「我々の監督メカニズムを回避するために手段を選ばなかった」とBloombergの取材に答えています。

Pegatronは違反行為が中国の上海と昆山(江蘇省)工場で発生し、学生が夜勤や時間外勤務をさせられていたことを「現地の規則や規制を遵守していなかった」と回答。そして規範を強化するために「迅速な措置」を講じ、上級管理職に対する評価基準に行動規範の遵守を追加するとのことです。

その後に同社は監督責任者を解雇した上で、学生労働者は生産ラインから外し、顧客や第三者の専門家と協力して、あらゆる必要な支援やケアと共に適切な報酬を受けながら自宅や学校に戻るための適切な取り決めを行ったと報告しています。

今回はあくまで新規取引の一時停止に過ぎず、iPhone 12シリーズの生産など現在のiPhone事業には影響を与えないもようです。とはいえPegatronの行動規範違反により、ライバルである中国Luxchareに来年のiPhone生産注文の一部を奪われるかもしれないとのアナリスト分析も伝えられています。LuxchareはAirPodsの組み立てで知られていますが、今年5月にはiPhoneサプライヤーにも参入する可能性があると報じられていました

Pegatronに労働基準違反があったのは今回が初めてではなく、2013年には上海組み立て工場で残業代の未払いや学生労働者への過少支払いの証拠も発見されていました。また最大のiPhone組み立て企業として知られるFoxconnやCatcher Technologyなども現地の規制違反が発覚したこともあり、アップル自らが労働基準やサプライヤー監査の強化を余儀なくされた経緯があります。

その一方で、アップルがFoxconnなどビジネスパートナーにもたらす利益が少なすぎるとの噂話もありました。営利企業として利潤を追求しつつ、労働者の人権も守るよう望みたいところです。

Source:Bloomberg