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4月6日、総務省にて「プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱いに関するワーキンググループ(第2回)」がオンラインで開催された。この会合はプラットフォームサービスにおいて、利用者情報の最適な取り扱いの確保について、最新の動向を踏まえて専門的な観点から検討することを目的としている。

3月18日に開始された第1回ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが登壇。4月6日にはアップルの担当者がアメリカからオンラインで参加した。

アップルは、この15年間、プライバシー保護に対して真摯に取り組んできた。iPhoneは個人のメールやアドレス、写真、位置情報を扱う。そのため、アップルはいかに個人のデータを守りながら、使い勝手のいい機能を提供するかに腐心してきた。

例えば、位置情報からニュースや地元のオススメを提供するアプリの場合、iPhoneから開発者に渡る位置情報は、約26平方キロメートルの広さとなっている。実はユーザーのピンポイントの場所は伝えないことで、個人情報を守っているのだ。

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また、この数ヶ月、iPhoneを使っているとWi-Fiのアンテナ表示の上に緑やオレンジ色の「●」が表示されるのに気がついたことがあるだろうか。実はあの「●」は、アプリがカメラにアクセスしているときに緑、マイクにアクセスしているときにオレンジ色になっている。勝手に盗撮や録音されることがないよう、カメラやマイクが起動しているときは「●」を表示して知られてくれるというわけだ。

アップルが最近、特に注力しているのがトラッキング対策だ。Safariでは2003年から他社のCookieをブロックするなどの取り組みをしてきた。

実際、アプリやサイトには他の企業からの「トラッカー」が平均6個含まれており、ユーザーやその人の個人情報を収集し追跡している。

これらのトラッカーが集めた個人情報データをつなぎ合わせ、共有し、収益化することで、年間2270億ドルの価値が生み出されているというのだ。

アップルでは2017年には「インテリジェント・トラッキング防止機能」を開発。Safariはユーザーがサイト間を移動する際、データ企業がユーザーをトラッキングしないように機能するが、この際、「サイトが適切に動作するのに必要なテクノロジー」と「ユーザーをトラッキングするテクノロジー」を高度な機械学習で判断。トラッキングするテクノロジーだけをブロックするようにしている。

アップルが個人情報を守る際、意識しているのが「透明性」だ。

Safariでは過去30日間のウェブ閲覧について、ユーザーはブロックされたトラッカーをそれらのトラッカーを所有する企業のリストを確認できるようにしている。ユーザーがどの企業からどれくらいトラッキングされ、Safariが阻止したのかをきちんと把握できるようにしているのだ。

さらにアップルでは今年、Safariだけでなく、アプリのトラッキングの透明性にも注力し始めた。アプリが広告またはデータブロガーとの共有目的で他社の所有するアプリやウェブサイトを横断して、ユーザーのデータをトラッキングする場合、開発者はユーザーの許可を得ることが必要となる。当初、iOS14のリリースとともに導入される予定だったが、Facebookなどの反対もあり延期となっていた。しかし、この春には義務化される見込みだ。

アプリによってトラッキングを許すかどうかは設定の「プライバシー」から変更もできる。

欧州や米国など、企業の個人情報の取り扱いについて、厳しい目が向けられつつある。日本も世界の流れに応じるように、一昔に比べれば、だいぶ個人情報の取り扱いに厳しくなってきた感がある。

先日、発覚したLINEの個人情報の取り扱いについても、法律は犯していないものの、ユーザーから「なんとなく気持ち悪い」という声が寄せられることとなった。

アップルとしては、iPhone内部で、できるだけ個人の情報を処理し、クラウドに上げる際にはできるだけデータを最小化するという取り組みを続けてきた。また、個人情報がどのようにウェブやアプリで扱われるのかをユーザーにしっかりと明示するという透明性の確保をアプリ開発者に求め続けてきている。

今回、アップルとしても、わざわざ本社の人間が総務省の会合でプレゼンテーションを行ったということは、日本の関係省庁にアップルのこれまでの取り組みをきちんと理解して欲しいという願いがあるということなのだろう。

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