Russia
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これまでアップル製品にはサードパーティ製アプリがプリインストールされた前例がありません。しかしアップルがこの大原則を修正して、今年(2021年)4月からロシア国内で販売されるiPhoneやiPadの初回設定時に、政府の承認したアプリの推奨を認めることが明らかとなりました。

ロシア財務相の高官は、ロシア国内で新たに施行される法律に関してアップルと合意したと現地メディアに語っています。

合意された内容は、ロシア国内でiPhoneの初回セットアップ時に、標準Webブラウザやウィルス対策アプリ、メッセンジャーや電子メールクライアントなどのインストールを求めるダイアログボックスを表示するというもの。それら標準アプリのリストは、ロシア政府が提供します。アップル広報も、これが事実であると認めています。

つまり事実上、ロシア政府が承認した標準アプリのプリインストールが実現するかっこうです。ただしロシア政府の提示したリストを丸呑みしたのではなく、あくまで正規の審査を経てApp Storeに登録されたアプリが推奨され、やはりApp Storeからダウンロードされるにすぎません。

また初回設定中でも必要ない場合は1つずつインストールを拒否でき、その後に削除もできるとのことです。アップルが現地の法律に従ってサードパーティ製アプリのインストールを提案するしくみは、すでに昨年(2020年)10月にiOS 14.3ベータ内から見つかっていました

これらの根拠となるロシアの法律は、1年以上も前にロシア議会で可決されていました。「ロシア製のソフトウェアがプリインストールされていない特定デバイスの販売」を禁じる法律が施行されれば、特にiPhoneが販売禁止される可能性があると指摘されていましたが、アップルが譲歩して最悪の事態を避けた模様です。

長年にわたりアップルは携帯キャリアや小売業者がiPhoneに独自のカスタマイズをしたり、プリインストールアプリを入れることを頑なに拒んできました。しかし政府の立法として定められ、法的強制力が加えられてしまえば一企業が逆らえるわけもないでしょう。

プライバシーを死守するはずのiCloudサーバーも、現地の法律に従ってユーザー情報をロシア国内で管理するようになりました。営利企業が「現地でデバイスを販売し続けるか、販売禁止と引き換えにポリシーを守るか」の二択を突きつけられれば、どちらを選ぶかは自明かもしれません。

Source:Vedomosti

via:9to5Mac