searchEngine

アップルが独自の検索エンジンを開発中との噂は2014年頃から囁かれていましたが(Webクローラー「Applebot」が確認されたため。後にアップルは公式に認めています)、同社が最近その取組みを「強化」したとの観測が伝えられています。

英Financial Times報道によると、これはGoogleとの有利な取引が脅威にさらされていることがきっかけとのことです。アップルはiOS用Safariのデフォルト(標準)検索エンジンをGoogleに設定する見返りとして巨額の代金を得ているとみられており、たとえば2018年には年間1兆円、アップル年間サービス収入の約20%もの金額にも上るという推測もありました

しかし今月、米司法省はGoogleを反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで提訴。米国のみならず世界各国でGoogleを追求する動きが強まっているなか、英国の規制当局も上記のアップルとGoogleの契約が競合他社にとって「参入と拡大に対する重大な障壁」として調査していると報じられていました

ここからアップルがGoogleとの契約更新を禁止され、収入を失った場合にどうするのかという問題が浮上することになります。その1つの選択肢が、アップルが独自の検索エンジンを開発すること、というわけです。

FT報道はアップル社内の情報源があるわけではなく、状況証拠や業界の一般的な観測を引用したもので、ほとんどは目新しくはありません。とはいえ、総合すればバラバラだったピースが1つの絵を形づくるという感はあります。

その1つが、iOS 14でホーム画面から下スワイプで呼び出せる検索画面が、Webサイトに直接リンクし始めたこと。複数の業界関係者によると、このWeb検索機能はアップル社内開発における重要な進捗を示しており、Googleに対する本格的な攻撃の基礎になる可能性があるとの証言が伝えられています。

もう1つの論拠が、アップルが元GoogleのAIや検索担当チームにいたジョン・ジャナンドレア氏を迎え入れたこと。表向きにはAIの知見が買われてSiriの能力を高めるためとされていますが、同氏にはGoogle検索エンジンに関わった8年もの経験があることは事実です。

FTが挙げる3つ目の理由(状況証拠的ではありますが)は、アップルが強いプライバシー保護方針を打ち出し、Googleのような広告配信サービスに対して歯に衣着せないコメントをしていることです。実際、ティム・クックCEOは2016年にこのような声明を発表しています

しかしGoogleとのデフォルト検索エンジン契約はアップルに莫大な利益をもたらし、間接的に顧客のプライバシーを収益化したとも言えるはず。アップル独自検索エンジンが実用化するとしても、しばらく先のことになるのかもしれません。

Source:Financial Times

Via:9to5Mac