tim cook
Apple

アップルは今春、おそらく4月内にリリース予定のiOS 14.5、iPadOS 14.5およびtvOS 14.5からアプリトラッキング透明性(App Tracking Transparency/ATT)というプライバシー対策を導入予定です。

これはアプリが他社の所有するアプリやWebサイトをまたいでユーザーの行動を追跡する場合は、ユーザーの明示的な許可を得るよう義務づけるもの。つまりユーザーの行動履歴を元にしたターゲティング広告の有効性が大きく減じるとして、Facebookなどネット広告業界は反対運動を繰り広げています

しかしティム・クックCEOはATT施行に先立ち、カナダの新聞に「デジタル広告に反対してない」とコメントしています。

クック氏は現地メディアToronto Starの取材に対して「私たちはデジタル広告に反対しているわけではありません。なぜなら、ますます多くの時間がオンラインで費やされ、リニアTV(従来型のテレビ放送)で費やされる時間はますます少なくなっているからです。そしてデジタル広告は、どんな状況でもやっていけるでしょう。問題は、このような詳細なプロフィールの構築をお客様の同意なしに行うことが許されるかどうかです」と答えています。

つまりはユーザーがオンラインで過ごす時間は右肩上がりに増えるためデジタル広告も自然増となるから市場規模は心配ないが、ユーザーにどんな情報を集めているかを知らせた上で自らコントロールする権利を与えるべし、ということでしょう。Facebookは自社の広告追跡ツール、すなわち正確なターゲティングと見積もりを立てる道具が大打撃を受けることを警戒していますが、クック氏としては減るかもしれない広告業界の収益は市場の成長でカバーできると示唆しているのかもしれません。

またProcter&Gamble社など一部の大手企業は、中国広告協会と協力してATTを回避しようとしていると報じられていました

これをどう考えているか訊かれたクック氏は、「あなた(P&Gのような大手企業)が反対する唯一の理由は、得られるデータが減ると思っているからです。得られるデータが減るのは、人々が意識して与えないように決めたからであり、以前は(取得していいかどうか)尋ねられなかったからです」と答えています。

さらにクック氏はプライバシーが「基本的人権」であるというアップルの長年の信条を繰り返しつつ、世界中のプライバシー規制がATTのようなポリシーに「いずれ追いつく」との考えを示しています。まとめればデジタル広告を滅ぼすつもりはないが、ネット広告業界の主な収入源であるターゲティング広告は真っ向から否定しており、またしてもFacebookザッカーバーグCEOとの軋轢が深まりそうです。

iOS 14.5はクック氏が「数週間」(今月6日から)以内に配信予定と約束しています。主に新機能の「顔認証iPhoneをマスクしながらロック解除」が待たれていますが、もしかしたら4月内に噂される新製品発表イベントの終了直後に配信が始まるのかもしれません。

Source:Tront Star

via:MacRumors