UnderDisplay
AFP

アップルが画面埋込み型のTouch ID、すなわち物理ホームボタンを実装せずに「ディスプレイに指を触れて指紋認証」を社内で検討していることは、これまで数々の特許申請から推測されています。

そんななか、アップルが新たな画面下Touch ID特許のほか、ディスプレイ内にアンテナを埋め込む特許を申請していることが明らかとなりました。

まず1つ目の「角度に焦点を当てた狭視野フィルタを使用して強化されたディスプレイ下指紋センシング」と題された文書は、2019年6月にUSPTO(米特許商標庁)申請され、最近になって公開された特許です。

この特許は以前の静電容量式ではなく、光学式指紋センサーを用いた方式です。要はセンサーを大きくするほど精度が上がるものの、デバイスの表面に置くと専有面積が増えるため、ディスプレイの下に置くというアプローチです。

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アップルの提唱しているディスプレイは「発光層、光学層、フィルター層、および画素化されたイメージセンサー」という階層から構成されています。「発光層は透明層で覆われ、透明層に触れている表面(指紋)を照らすことができ、光学層への反射光の透過を可能にする」とした上で、「光学層またはフィルタ層の少なくとも1つは、反射光の角度に焦点を当てたFOV(視野)フィルタリングを可能にする」とのこと。

つまり、指紋の光学スキャンを複数の特定の角度(たとえば斜め42度など)から行うということ。これにより光が物体によって遮られるオクルージョン(閉塞)を避けつつ、様々な角度からのスキャン結果を照合できるというわけです。

もう1つの「ディスプレイ・インテグレータブル(統合可能)ハイブリッド透過アンテナ」と題される特許は、画面内にRF-FEM(アンテナやシグナルチューナーおよびパワーアンプの集合体)を埋め込むアイディアが記されています。以前、アップルは独自設計のRF-FEMを検討していると報じられたことがありました。

こちらは「ワイヤレスシステム(スマートウォッチやディスプレイ機能を搭載したその他のデバイス)」全般につき、必要な無線パーツ(BluetoothやGPS、Wi-Fiなど)が増える中でベゼルを薄くするにはどうするか、といった課題に取り組む目的意識が述べられています。

大まかに言えば「LCD層、タッチパネル層、カバーガラス層を含む多層ディスプレイを含む」デバイスを備える小さな機器において、アンテナが信号を取得しやすくするソリューションに取り組むもの。そこでディスプレイに埋め込むことで、ディスプレイの収納スペースを減らすことなく、信号を受信するためのアンテナ面積も確保できるというわけです。

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実際「アンテナをどこに収納するか」がしだいにスマートフォンでも課題になりつつあるのは、米国向けのiPhone 12シリーズで5Gミリ波アンテナが外部にはみ出していることでもうかがえました。

今年、新型コロナが世界中に感染拡大した最中では、マスクをしたままロック解除ができるTouch IDの便利さは改めて見直されていました。いついかなる状況であれユーザーがiPhoneを便利に使えるよう、また画面を広く取りつつ電波もキャッチできるよう、画面の下には色々と埋め込まれることになるのかもしれません。

Source:USPTO(1),(2)

Via:AppleInsider