AIStartup

アップルが今年初めに買収した人工知能(AI)スタートアップ企業が、今後の同社製アプリやサービスに注目すべき技術を反映させる可能性がありそうです。

このトピックを報じているのは、Bloombergの名物記者Mark Gurman記者です。同氏によると、買収されたのはスペインのバルセロナに拠点を置くVilynxという会社です。

同社は動画内の映像や音声、テキストの内容を分析して何が表示されているかを理解する技術を開発し、動画のタグを自動で作成して検索可能にしたとのこと(たとえばマイケル・ジョーダンの顔を検出して検索対象とする、など)。買収額は約5000万ドル(約52億円)と伝えられています。

アップルは「わが社は時々小さなテクノロジー企業を買収しており、一般的にその目的や計画を議論することはありません」との声明を出しており、買収の事実を肯定も否定もしない、通常運転の態度を示しています。

同社はAI関連企業の買収に熱心なことで知られており、今年1月には「オンデバイスAI」をうたうXnor.aiを、5月にはSiri強化につながるInductivを獲得したと報じられていました。米調査会社CB Insightsは、アップルが2010年から2019年までの10年間に累計で20社のAI関連企業を買収し、2017年から3年連続で累計トップを維持していると述べています

そもそもアップルの音声アシスタントSiriも買収した企業の技術が原点となっており、顔認証技術Face IDも2013年の3Dセンサ企業PrimeSense買収をなくしてはあり得なかったと思われます。

では、アップルはVilynxの技術をどんな用途に使うのか。BloombergはSiriの強化や、写真アプリに投入して動画を検索しやすくしたり、テレビやニュースアプリでのリコメンデーション・エンジン(顧客に商品やサービスをお勧めするソフトウェア)への応用などを挙げています。

さらにアップルはGoogleとのiOS用Safariでのデフォルト検索エンジン契約が反トラスト法違反の疑いで調査の対象となっていることもあり、独自検索エンジン開発を「強化」しているとの観測もあります

かたやiPhoneでもA14 Bionicの5nmプロセス化による集積度の向上を単なるCPUやGPUコアの増強以上にニューラルエンジン、すなわち機械学習に振り向ける方針が採られており、こうした点からもVilynxの技術は色々と使い道がありそうです。

Source:Bloomberg