アップル、フォートナイトのEpicに開発者アカウント停止を予告。「他社Unreal Engineアプリに甚大な影響」(Epic)

Epicは差し止め請求

Ittousai
Ittousai , @Ittousai_ej
2020年08月18日, 午前 07:51 in in-app purchases
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Epic Games

人気ゲーム『フォートナイト』の開発元Epicとアップルのアプリ内購入手数料をめぐる争いに新展開がありました。

Epicによれば、アップルはフォートナイトをApp Storeから削除しただけでなく、8月28日までに修正に応じない場合、Epicのすべての開発者アカウントを削除し、iOS / macOS アプリの開発ツールを利用不可能にすると警告したとのこと。

Epic はこれに対して、Epic がアップルの開発者向けガイドラインは独占禁止法上無効であると訴えたことに対する報復措置であり、もし実行されればフォートナイトだけでなく、他社製ゲームやアプリで広く導入されているゲームエンジン Unreal Engine の開発やサポートが不能になり、自社だけでなく多くの iOS / macOS 開発者に甚大な被害を及ぼすとして、連邦地裁に対し差し止めを求める申し立てをおこなっています。

アップルがフォートナイトをストアから削除、iPhoneは新シーズンのプレイ不可。Epicは訴訟で反撃

アップルとEpicの争いは、先週アップルがEpicの人気ゲーム『フォートナイト』(Fortnite)を App Store から削除したことで急展開を迎えました。

アップルが自社にとっても収益源であるフォートナイトを削除したのは、Epic がフォートナイトのゲーム内通貨 V-Bucks の購入方法として、アップルに30%の手数料収入が入るアプリ内購入だけでなく、割安でEpic から直接購入できる選択肢もユーザーに提示したこと。

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アップルは App Store で販売・配信するアプリに対して、有料アプリ自体の売上の30%を手数料として徴収するほか、機能の有料アンロックやゲームのアイテム課金などについてもアプリ内購入の利用を義務付け、決済ごとに売上の30%を得ています。

Epicはこの30%の「ストア税」に対して、個別の審査コストやアップルに負担がないゲーム内通貨の購入でも毎回30%を徴収するのはおかしい、決済手数料としてはクレジットカードやPayPalなどネット上で使われている決済サービスの10倍近い暴利であり、アプリ配布に App Store 以外の選択肢がなく決済サービスとして必ずアップルのアプリ内購入を使わざるを得ない状況でこの手数料は独占的地位の濫用であると以前から非難してきました。

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こうした状況のなか、Epicは8月14日になって、ゲーム内通貨 V-Bucks の永続的な値下げを発表。Epicからの直接購入ならば割安の新価格で購入できる施策を開始しました。

たとえば1000V-Bucks はアップルを経由すると1220円なのに対して、Epic ディレクトペイメントで買えば 880円になります。

同時に Epic はモバイル版のフォートナイトを更新し、アプリ内に直接購入の「Epicディレクトペイメント」の選択肢を追加。

アップル以外の決済方法を使うこと、アプリ内から誘導することはアップルの開発者ガイドライン違反にあたるため、短時間で App Store から削除されることになりました。やや遅れて、Google の Google Play からもフォートナイトは削除されています。

アップルがフォートナイトをストアから削除、iPhoneは新シーズンのプレイ不可。Epicは訴訟で反撃

Epic はアップル側の対応を予想し準備していたらしく、ストア削除からただちに「Nineteen Eighty-Fortnite」なる動画を公開。

かつてアップルはパーソナルコンピュータ Macintosh を売り出した際、当時の市場で支配的立場にあった IBM をオーウェルの小説「1984」の独裁者ビッグブラザーに例え、みずからを独占市場からの開放者、消費者を救う革命の担い手と印象づけるコマーシャルを放送して評判になりました。

Epic の動画は逆にアップルを独占的な圧制者に、Fortnite を独裁に立ち向かう英雄として描く内容。

Epic は連邦地裁に対して、アップルを相手取った独占禁止法上の訴訟を提起しています。露骨なガイドライン違反で圧力を受けることは承知のうえで、今後新シーズンはプレイできないと知ったプレーヤーを味方につけ、世論に対して「30%税」についての議論を喚起し、「現にストアから削除された、独占的地位の濫用だ」と訴える狙いと考えられます。

(App Storeから消されたといっても、すでにインストール済みのプレーヤーには直ちに影響がなかったため、Epicの想定したシナリオのなかでも比較的プレーヤーへのショックと動員力は低かったかもしれませんが)。

Epic によれば、アップルが警告した期日は8月28日。Epicは裁判所に対して差し止め命令を求める申し立てをしていますが、ひとまずは8月28日より前に、アップル vs Epic にまた大きな展開がありそうです。

アップルは Epic による申し立てについて特に新しいコメントはしておらず、先週フォートナイトを削除した際のステートメントを案内するに留まっています。

内容は、ガイドラインはすべての開発者に対して平等に適用されるものであり、ルールはユーザーの安全を守ることが目的である、Epicが追加した機能(直接購入)は明確なガイドライン違反の意思を持って、アップルの審査や承認を経ずに有効化されたものである (から削除は妥当)など。全文はこちら。

“Today, Epic Games took the unfortunate step of violating the App Store guidelines that are applied equally to every developer and designed to keep the store safe for our users. As a result their Fortnite app has been removed from the store. Epic enabled a feature in its app which was not reviewed or approved by Apple, and they did so with the express intent of violating the App Store guidelines regarding in-app payments that apply to every developer who sells digital goods or services. 

"Epic has had apps on the App Store for a decade, and have benefited from the App Store ecosystem - including it’s tools, testing, and distribution that Apple provides to all developers. Epic agreed to the App Store terms and guidelines freely and we’re glad they’ve built such a successful business on the App Store. The fact that their business interests now lead them to push for a special arrangement does not change the fact that these guidelines create a level playing field for all developers and make the store safe for all users. We will make every effort to work with Epic to resolve these violations so they can return Fortnite to the App Store.”


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