People wearing face masks walk past an Apple store in Wuhan, in Chinas central Hubei province on May 26, 2020. (Photo by Hector RETAMAL / AFP) (Photo by HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)
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今春に配信されるiOS 14.5以降ではアプリトラッキング透明性(App Tracking Transparency/ATT)、つまり「異なるWebサイトやアプリをまたいでユーザーを追跡する場合は、ユーザーの許可を得なければならない」ルールが導入される予定です。しかし中国のハイテク企業がこれを回避しようとしているため、アップルが警告していると報じられています。

英Financial Timesによると、アップルはユーザーの許可なしにアプリの使用状況を追跡する方法を使った開発者(少なくとも2人)に警告を送ったとのことです。送られたメールでは「アプリがユーザーとデバイスの一意の識別子を作成するために情報を集めていると分かりました」と述べた上で、開発者は14日以内にApp Storeのルールに沿うようアプリを更新するか、さもなくばApp Storeから削除される危険を冒すかの選択を迫っています。

アップルが推進するATTは、主にIFDAと呼ばれる一意の(一対一で紐付けられる)デバイス識別子を取得するにあたり、各アプリごとに「追跡してもいいですか?」とポップアップを表示し、そこで拒否すればオプトアウトできるしくみの実装を求めることです。今回の中国開発者達は、このIFDAとは別の識別子を使おうとしたわけです。

さらに問題のアプリ開発者らは、国営の中国広告協会により作られたCAIDと呼ばれるツールを使っていたとのこと。中国広告協会は今週、アップルのプライバシーポリシーに「反対していない」と表明していましたが、アップルの警告とは食い違っている模様です。

また中国マーケティング業界のベテランは、中国の「大企業と中小企業」はすべてCAIDを検討していると語っています。すでにバイドゥやテンセントなど中国ハイテク大手の中にはユーザー追跡のためCAIDをテストないし実装している企業もあるとのことです。

特にByteDanceは開発者がCAID1およびCAID2、つまりユーザーのIPアドレスと電話機のIMEI(一意の識別番号)に基づいた識別子を使うよう推奨しているものの、いずれもデータ収集前にユーザーの許可を求めず、アップルの規則に違反していると伝えられています。

この問題を難しくしているのは、CAIDを提供する中国広告協会が国営企業、つまり中国政府が背後にあることでしょう。Financial Timesは先日の報道で、アップルは明らかに規則に違反している場合でも強力な行動を取ることに慎重であり、「中国に例外を設けるかもしれない」との事情通の話を報じていました。

アップルはFacebookに対してはATT遵守を強く求めていますが、同じ対応を中国政府に対しても取れるのか。先日もロシアで販売するiPhoneにつき政府が推奨するアプリ導入を認めたばかりでもあり、中国でも妥協を迫られるのかもしれません。

Source:Financial Times

via:MacRumors