スマートフォンの高性能化が進む一方で、低価格なスマートフォンの性能もここ数年で格段に高まりました。たとえばシャオミの「Redmi Note 9S」は日本では2万4800円(税込み)で4800万画素+800万画素+500万画素+200万画素カメラを搭載。6.67インチディスプレイに5000mAhバッテリーと、ちょっと前のエントリーモデルスマートフォンの価格とは思えぬスペックです。

スマートウォッチの世界も同様に、来年は低価格モデルが次々と出てきそうです。中国のスマートフォンメーカーが相次いで低価格なスマートウォッチを中国で発売。いずれも日本円では4000円台と格安です。

ZTEの「ZTE Watch Live」は1.3インチ240x240解像度のディスプレイを搭載、バッテリー容量は非公開ですが最長で21日間の待ち受けが可能、また5分の充電で1日の利用ができるといいます。IP68の防水防じんに対応、心拍センサーも内蔵しています。

ZTE Watch Live

スクエアなウォッチフェイスを見るとどうしてもApple Watchを思い浮かべてしまいますが、ZTE Watch LiveはApple Watchほど高性能ではなく、スマートフォンからのメッセージ類の通知受信、活動量計、睡眠時間測定、天気予報表示、スマートフォンカメラのリモートシャッター、スマートフォンの音楽再生コントロール、スマートフォンを探す、あとは長時間座り続けているなど同じ姿勢をしていたときに警告を出す機能などを備えます。高機能ではないものの、スマートウォッチでよく使う機能は一通り搭載しています。

ZTE Watch Live

ZTE Watch Liveのサイズは40.6x34.6x10.8mm、重量は35.7g。価格は249元(約4000円)です。4000円でここまでのことができるなら試しに買ってみようと思えるでしょう。シャオミはスマートフォンとリストバンド型端末の超低価格化を実現しましたが、スマートウォッチではZTEがシャオミのお株を奪う低価格化を先に実現しているのです。

ZTE Watch Live

一方、シャオミもZTEに負けじと200元台、日本円で4000円台のスマートウォッチを投入します。Redmiブランドの「Redmi Watch」は299元(約4800円)。主な機能は活動量計、運動量計測(7種類)、睡眠時間記録、天気予報、スマートフォンの音楽再生コントロール、スマートフォンを探す、ライト機能など。

Redmi Watch

価格はZTE Watch Liveよりも若干高いものの、ZTE Watch Liveにはない機能も備えています。それはNFCを使ったモバイルペイメント、音声AI(シャオミ独自AI)操作、シャオミの家電操作など。このRedmi Watchならではの機能は中国のみ対応でしょうが、使い勝手は高そうです。電池は最大12日間もつとのこと。

Redmi Watch

ディスプレイは1.4インチ(320x320)。解像度が高めなので細かい文字でも読みやすそうです。長文を読む用途ならリストバンド型端末よりも使いやすいでしょう。本体サイズは41x35x10.9mmで重量は35g。5メートル防水(日常的な生活防水レベル)に対応します。

Redmi Watch

この2社に先駆けて低価格スマートウォッチ「Realme Watch」を5月に発売したRealmeは、インドでの販売価格を3999ルピー(約5700円)から2999ルピー(約4200円)へと値下げして販売中。Redmi Watchのインド上陸に対抗しようとしているのでしょう。ここまで安いとスマートウォッチは低価格スマートフォンを使う新興国のユーザーでも、気軽に追加購入できる価格です。先進国でも現在はまだスマートウォッチを使っていないユーザーが多く、ライトユース向けとして十分需要はあるでしょう。

Realme Watch

Mi Bandなど中国メーカーのリストバンド型デバイスは価格が安く手軽に購入できますが、スマートウォッチ値段がここまで下がると「いっそ腕時計型にしようか」と思わせてくれるでしょう。各社のスマートウォッチはこれまで新製品が出てくるたびに新機能が搭載されてきましたが、活動量計として使うのであれば必要最小限の機能を備えた4000円台の製品でも十分かもしれません。

もちろん先進国でのモバイルペイメントやパルスオキシメータ(SPO2)機能、より高級な質感を求める人はより高いものを買えばいいでしょう。またスマートウォッチは常に腕にはめて人に見られるものであることから、ファッションアイテム化も進んでいます。ディーゼルなどファッションブランドのスマートウォッチや、スカーゲンなど腕時計ブランドのスマートウォッチも出てきています。ファーウェイのポルシェデザインスマートウォッチはチタン&サファイアグラス採用で価格は約7万円ですが、その質感は価格以上のものです。

PORSCHE DESIGN HUAWEI WATCH GT 2

Apple Watchが強いスマートウォッチですが、世界のスマートフォンの8割以上がAndroidスマートフォンです。Androidスマートフォンユーザーはまだスマートウォッチを使っている割合が少ないのが実情です。特に新興国ではまだまだ高嶺の花といえる存在です。

しかし新興国では低価格なモデルがヒットすれば爆発的な数を売ることができます。たとえば人口13億のインドの2019年のスマートフォン出荷量は約1億5000万台でしたが、スマートウォッチは約90万台しか売れていません。もしもスマートフォンユーザーの10%がスマートウォッチを買うようになれば、その数は1500万台です(数値は調査会社IDCのデータ)。

今後、低価格なスマートウォッチが出てくれば、スマートウォッチの販売数は飛躍的に増えていくでしょう。ファーウェイとシャオミがスマートフォン市場でアップルを抜いたように、スマートウォッチの世界もApple Watchを抜く巨大メーカーが生まれるかもしれません。日本においてもRedmi Watchをシャオミに出してもらい、スマートウォッチユーザーを増やしてほしいものです。

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