watchOS 7 の健康管理はアフターコロナ時代に向け、どう進化したのか(佐野正弘)

腕時計型以外の提案がそろそろあってもいいのでは?

佐野正弘(Masahiro Sano)
佐野正弘(Masahiro Sano)
2020年06月28日, 午前 09:15 in watchOS
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watchOS 7 Masahiro Sano

国内でも東京を主体に新型コロナウイルスの感染が再び拡大傾向にあるようで、引き続き人との接触を減らし自宅で過ごす時間を増やすなど新しい生活習慣が求められている昨今。ですが一方で、自宅にこもっていることで運動不足によって健康を害するという、別の問題も出てきているようです。

そうしたことかアフターコロナの時代には感染症を警戒しながらも、いかに健康を保つかが重要な課題となってきそうです。そうした中でアップルが2020年6月22日(米国時間)に開発者イベント「WWDC 2020」を実施した訳ですが、健康とテクノロジーという意味でいうとApple Watchに搭載されているwatchOSの新バージョン、「watchOS 7」がアフターコロナ時代に向けどのような進化を遂げているのかが注目ポイントでもあります。

watchOS 7 Masahiro Sano

▲WWDCで新たに発表された「watchOS 7」。健康管理に関連する機能を中心としてさまざまな進化を遂げている

アップルはここ最近、Apple Watchを高機能な時計としての位置づけから、健康を管理するためのデバイスへと大きく転換を図っているようで、watchOSも豊富に備えたApple Watchのセンサーを活用し、転倒の検知や(日本ではまだ利用できませんが)心電図機能など、健康に関するさまざまな機能を追加して進化を遂げてきました。

もちろん時計としての機能も引き続き強化されており、watchOS 7では利用者が時計の文字盤をカスタマイズし、ウェブサイト等を通じて共有しやすくする仕組みなどが整えられるようです。しかしながらやはり機能追加の重点は、今回も健康に関する部分に置かれていた印象です。

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▲watchOS 7ではカスタマイズした文字盤を、Webサイトなどを通じて共有できるなど、時計に関する機能強化もなされている

新型コロナウイスを直接意識したものとして関心を集めたのは、やはり手洗いを自動検出して正しい手洗いを促す機能ではないでしょうか。新型コロナウイスの感染を抑えるには手洗いをはじめとして、日常的にいかに衛生的な環境を保つかが重視されるところですが、きちんとした手洗いを実践するのはなかなか難しいところです。

それだけに、こうした機能がApple Watchに搭載されたことは大きな意義があるのは確かなのですが、単に手洗いが必要なことを通知したり、タイマーで手洗いの時間をカウントしたりするだけでなく、センサーやマイクなど既存のApple Watchに備わっている機能だけで、実際に手洗いしていることを検出できるというのには驚きがあります。

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▲手洗いを自動検出する機能も新たに搭載。Apple Watchが持つ機能だけで検出を実現しているのには驚きがある

一方、健康という側面で見ると、「ワークアウト」のアプリに新しいワークアウトが4つ追加されたというのがポイントの1つとなります。特に基調講演でアピールされていたのがダンスの追加で、ボリウッドダンス、カーディオダンス、ヒップホップダンス、ラテンダンスの4種類のダンスで動きを検証し、ダンスしていることを検知する仕組みを整えたようです。

これまでのワークアウトアプリが対応していたランニングやスイミングなどと比べると、ダンスの動きは非常に複雑なことから検知が難しいように思えます。ですがアップルでは、ジャイロスコープと加速度センサーによる腕の動きや高さの検出、そして心拍数センサーによる心拍数の検出と、Apple Watchのセンサーを複数活用することでダンスの動きを検出しているそうです。

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▲ワークアウトアプリにはダンスなどが追加。従来より複雑な動きをするダンスの検知も、やはりApple Watchが持つ複数のセンサーをフル活用して実現しているようだ

もちろん新型コロナウイルスを意識してダンスを追加した訳ではないでしょうが、ダンスは人気の高いアクティビティであると同時に、(環境にもよりますが)室内でも実践できるもの。これまで対応するアクティブトラッカーがそれほど多い訳ではなかっただけに、今回の対応はアフターコロナ時代のApple Watchの利用の広がりを考える上で大きなポイントとなりそうです。

そしてもう1つ、注目されるのが睡眠の記録です。こちらは多くのアクティブトラッカーに搭載されている機能でもあるだけに、Apple Watchユーザーにとっては待望の機能といえるかもしれません。記録された睡眠状態はアプリ上で確認できるほか、iCloudにも同期され保存できるとのことです。

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▲睡眠の状態を記録する機能も追加。睡眠状態の記録だけでなく、睡眠や起床をしやすくする仕組みも用意されるという

しかしながら、単に睡眠状態を記録するだけにとどまらないのがwatchOSならではといえるでしょう。事前に就寝前のルーティンを作成することで、リラックスできるサウンドを流したりするなど、睡眠に入りやすくする仕組みが整えられているほか、起床しやすいようアラームも優しいサウンドにしたり、身に着けていることを生かし触覚によるアラームを用いたりすることも可能となっています。

今回はiOSやmacOSの大幅な変化がなされたこともあり、watchOS 7の追加機能はここ最近の進化と比べると、やや地味だった印象は否めません。しかしながら新たに手洗いから睡眠までをサポートしたことなどにより、Apple Watchが利用者の1日の健康を管理できる幅と時間が大幅に増えたことは確かでしょうし、日常的な健康管理が従来以上に重視されるアフターコロナ時代に適した進化を遂げたことは間違いないと感じています。

ただ一方で、それら機能を利用する上ではほぼ一日中、Apple Watchを付けていなければならないというのは気になるところです。いつ充電すればいいんだ?という問題が浮上してくるのはもちろんですが、筆者のようにそもそも腕時計を付けるのが苦手だという人は、Apple Watchを外すことのできる時間が非常に少なくなり、日常のストレスが一層増えると感じてしまうのです。

もちろんこれはApple Watchに限らず、多くのフィットネストラッカーやスマートウォッチに共通した課題ではあるのですが、より多くの人の嗜好(しこう)に合わせる上でも腕時計型以外の提案がそろそろあってもいいのではないか?というのが筆者の本音でもあります。


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