アップルやディズニー、トランプ大統領のWeChat禁止令に懸念を表明(WSJ報道)

iPhone出荷台数が30%減の予測も

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年08月14日, 午後 12:10 in Apple
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WeChat
Thomas Peter / reuters

米トランプ大統領は先週、メッセンジャーアプリWeChatを運営する中国企業Tencentと米国の取引を全面禁止する大統領命令を出しました。これに対してアップルやディズニー、フォードなどの米大手企業がその結果は「深刻」であるとして、トランプ政権に懸念を表明しているとの噂が報じられています。

米The Wall Street Journal記事によれば、12社以上の米国企業が、世界第2位の経済大国(中国)市場における競争力を損なう可能性があるとして、ホワイトハウス当局者との電話会談で大統領命令が及ぼす潜在的に広い範囲と影響について懸念を伝えたとのことです。

米中ビジネス評議会のクレイグ・アレン会長は「中国に住んでいない人々にとって、米国企業がそれ(WeChat)の利用を禁止された場合、その影響がどれほど大きいかを理解していない」と述べ、「米国企業は全ての競争相手に深刻なほど不利な立場に置かれるだろう」との考えを表明しています。

Tencentについての大統領命令はWeChatのみが対象とされ、同社が運営している人気ゲームPUBG Mobileや出資しているEpic Gamesなどの米ゲーム企業には及んでいません。とはいえ、WeChatは単なるチャットやSNSアプリではなく、モバイル決済のWeChatペイや電子商取引機能なども含んでおり、事実上の商業プラットフォームとなっています。つまりWeChatアプリの禁止は、直ちに米国企業が中国市場で消費者から代金を回収する手段がなくなり、スマートフォンで決済できないことにも繋がりうるわけです。

WeChat禁止令に反対する企業が指摘している問題のひとつは、大統領命令の範囲がどこまでを指しているか不明瞭であることです。同命令は米国人による「WeChatに関連する取引」を禁止していますが、それが米国内のみで適用されるか、それとも中国を含む世界中のすべての取引に適用されるのか、詳細は明らかにされていません。

もしも後者の場合は、アップルにとっても壊滅的な打撃となる可能性があります。有名アナリストMing-Chi Kuo氏は先日、WeChatアプリが全世界のApp Storeで削除された場合にはiPhoneの出荷台数が最大で30%減少する可能性があると警告していました。

かつては中国市場で劣勢だったiPhoneが急速にシェアを伸ばせた背景には、WeChatアプリの存在が大きいとの声もあります。中国に住む人にとってはスマートフォンは単にWeChatを使うためのデバイスに過ぎず、そのためiPhoneも高機能かつ価格を抑えてAndroidから市場を奪うことができました。逆も然りで、中国App StoreからWeChatが消えれば、中国ブランドがアップルから速やかにシェアを取れるというわけです。

米9to5Macは「WeChatのないiPhoneは、中国では本質的には役に立たない。誰もそれを欲しがらないし、誰も買わないだろう」と予想しています。しかしトランプ大統領はTikTokに対する命令文書で「「(中国政府が関わるアプリの)拡散は国の国家安全保障、外交政策、経済を脅かし続けている」と述べており、それを避けるためには米国以外でもWeChat禁止が望ましいはず。

アップルのティム・クックCEOはトランプ大統領を懐柔して、ひとまずiPhoneへの対中関税を回避した実績があります。今回はディズニーら大手企業と足並みをそろえた働きかけがどのように作用するのか、今後の展開を見守りたいところです。

Source:The Wall Street Journal

Via:9to5Mac

 

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