Zoom
Rachel Weill via Getty Images

Web会議サービスZoomのiPad用アプリは画面分割のSplit Viewモード中にカメラを使えますが、こうした機能は他のサードパーティ製アプリにはたいてい利用できません。実はZoomがアップルから特別なiPadOS APIへのアクセスを許可されていたことが明らかとなりました。

アプリ開発者のJeremy Provos氏は数か月前にZoomでマルチタスク(画面分割)中にカメラが利用できるようになって驚いたとのこと。これはビデオ会議アプリでメモを取ったりプレゼンを見たり、Twitterをしながら会議を見るためには当然の機能でありますが、それを実現する方法はネットで探しても見つからなかったと振り返っています。

そこでZoom社に聞いてみたところ、画面分割中もiPad内蔵カメラに使い続けられる特別なAPIを使用しており、アップルに特別にエンタイトルメントを付与してもらって実現したと回答されたそうです。エンタイトルメントとはサードパーティ製アプリがiOS/iPadOSの特定機能にアクセスするために必要な権限のこと。

その中には一部開発者だけに許可されるものもあり、たとえば「CarPlay」や「Homekit」関連もその一例です。そしてCarPlayへのアクセスを申請するための文書や手続きは公開されていて、開発者は誰でも申請できるようになっています。

しかしマルチタスク時のiPadカメラへのそれ(com.apple.developer.avfoundation.multitasking-camera-access)は権利を要求するための公式な手続きは用意されず、それどころかアップルはこの権利の存在さえ公表していないと判明したしだいです。

なおZoom社としては、2月初めに社内スタッフが開発者フォーラムにて「com.apple.developer.avfoundation.multitasking-camera-accessによるカメラアクセス」に言及しており、特に秘密にしていたわけではありません。

アップルが承認手続きを非公開にして文書化もせず、一部の有力パートナーのみ優遇していたことは「すべての開発者を平等に扱う」との建前に反している恐れもあります。

そればかりか、もっか法廷ではEpic GamesとのApp Storeをめぐる裁判が繰り広げられており、アップルが一部の大手企業を優遇しているなど独占禁止法的な行いがあったのではないか、との疑いが争点となっている最中のことです。また米Huluに対して、やはり特別なアプリストアAPIへのアクセスを許可していたと明かされた直後でもあります。

米MacRumorsはこの件についてアップルに問い合わせており、まだ回答を得ていないとのことです。アップルの「アプリ市場を平等にする」との理念が守られるよう祈りたいところです。

Source:Jeremy Provos(Blog)

via:MacRumors