アップルが長年にわたり取り組んでいる自動運転車プロジェクト、通称Project Titanを、機械学習とAI戦略担当SVP(上級副社長)のジョン・ジャナンドレア氏が統括するようになったとの噂が報じられています。
米Bloomberg記事によると、もともとダグ・フィールド氏(元テスラの技術統括VP)がProject Titanを日々運営していたとのこと。そのチームに属した数百人ものエンジニアが、ジャナンドレア氏の部署に異動されたと伝えられています。この件を問い合わされたアップルの広報担当者は、いつも通りコメントを辞退しています。
フィールド氏は現場責任者であり、その報告を受ける立場(つまり上司)だったのがボブ・マンズフィールド氏でした。マンズフィールド氏はMacBook AirやiPadの開発を率いた幹部として知られていますが、Bloombergいわく現在はすでにアップルを退社しており、空いたボスの椅子にジャナンドレア氏が収まるかっこうです。
アップルが一度も公式に発表していないのに公然の事実となっているProject Titanですが、これまでに様々な紆余曲折がありました。従業員200人を解雇したとの噂があったかと思えば、テスラで10年にわたってパワートレインに関わってきた重要人物を引き抜いたり、元デザイン最高責任者ジョニー・アイヴ氏がハンドルがなくSiriで操作するアップルカーを思いついたとの逸話もありました。
ともあれアップルが自動運転車に今なお取り組んでいるのは、何度か報告された試験車両の衝突事故が裏付けている事実です。ただ、どの方向に向かっているのかは、外部からはうかがい知れないところがあります。
今回のBloomberg記事では、これまでアップルが自社製の車を発売するか、自動車メーカーのパートナーのために自動運転システムを構築するか、複数の異なる車で動作するアフターマーケットキット(メーカー純正ではなく後付けできる部品)を設計するかを検討してきたとの関係者の談話が伝えられていますが、やはり方向性が定まらず迷っているのかもしれません。
Source:Bloomberg