MPen2

海外ではヨーロッパや中国など一部の国で発売になったファーウェイのMate 40シリーズは、別売のスタイラスペン「M-Pen 2」に対応しています。ファーウェイはすでにスマートフォンやタブレット、2in1 PCに対応するスタイラスペンを販売していますが、このM-Pen 2はMate 40とMatePad Proのみに対応する新モデルです。書き味などを試してみました。

M-Pen 2のペン性能は遅延が11ms、筆圧は4096階調に対応。サイズは143.87 x 8.9mm、重さは17g。本体にはマルチファンクションボタンが1つそなわります。クリップ部分にはファーウェイのロゴも入っています。

MPen2

M-Pen 2は充電式で82mAhのバッテリーを内蔵しています。フル充電で10時間の連続手書きや、40日間の待ち受けに対応します。充電は本体上部のキャップを外して行います。このキャップは紛失しないように、ペンから完全に外れない構造になっています。

MPen2

充電方法は初代のApple Pencilと同様、スマートフォンまたはタブレットのUSB Type-C端子に直接装着して行います。またこの状態でBluetoothのペアリングも自動で行えます。

MPen2

なおM-Pen 2を使う前に、Mate 40 Proの設定画面でスタイラスペンの使用をONにしておく必要があります。またメモ帳アプリはプリインストールされています。

MPen2

マルチファンクションボタンの役割は以下の5つ。スリープ中でもすぐにメモを取ることができます。

スクリーンOFF時

  • ボタンをクリックして画面タッチ:メモ帳を起動

スクリーンON時

  • ボタンをクリックして画面タッチ:メモ帳を起動

  • ボタンをダブルクリックして画面タッチ:スクリーンキャプチャ

  • ボタンを押したまま画面上で「O」を描く:スクリーンの選択キャプチャ

  • ボタンを押したまま画面上で「S」を描く:スクリーンをスクロールキャプチャ

Mate 40 Proはグーグルサービス(GMS)を搭載しない代わりにファーウェイサービス(HMS)を搭載、アプリはファーウェイ独自のストア「AppGallery」からダウンロードします。M-Pen 2にも対応するアプリがいくつかりますが、デフォルトでは「M-Penゾーン」というアプリがインストールされており、これを開くとM-Pen 2で利用できる手書きアプリをダウンロードできます。メモやお絵描き、PDF手書きなど、その数は約10個。ペンを活用するスマートフォンであることがさりげなくアピールされています。

MPen2

さて実際にM-Pen 2を使って手書きしてみました。ペン先は硬めでディスプレイの上にタッチするたびに「ガラスをたたいている」という感覚です。この辺りは一番最初にペンに対応した「Mate 20 X + M-Pen」の時と似た感覚です。しかし遅延速度が低いこともあってかペン先の追従は良く、すらすらと書き進めることができます。

筆者はGalaxy Noteユーザーですが、ペン先の感覚はGalaxy Noteのほうが柔らかいタッチなので、長時間書いても疲れないと思います。M-Pen 2はガラスではなくフィルムタイプの保護シートを貼り付ければディスプレイにタッチするときの感触はよくなるかもしれません。

さて、ファーウェイがMate 40に合わせてスタイラスペンを一新させたということは、今後、出てくる同社の他のスマートフォンでもM-Pen 2を使えるようにするということなのでしょう。すなわち指先によるタッチ以外の入力方法としてペン入力も推していこうと考えているわけです。

現時点で市場でスタイラスペン対応を大きくうたうスマートフォンはGalaxy Noteシリーズだけですが、ファーウェイがペン入力にこだわる理由は、スマートフォンが大型化したことで、紙のシステム手帳と同じような感覚でスマートフォンを使えるようになったからでしょう。数年前のスマートフォンは画面サイズが今より小さく、ペンで手書きすることが困難でした。しかし今のスマートフォンは7インチ弱のディスプレイサイズのものが多く、スタイラスペンを使って細かい書き込みもできます。

LGもひっそりとスタイラスペンを最新のスマートフォンに対応させています。日本では「V60 ThinQ」(ドコモ版)の発売時に先着限定数としてスタイラスペンが無料配布されましたが、海外では純正アクセサリとして別売されています。その後の機種「WING」や「VELVET」もスタイラスペンに対応しており、海外ではこれらの機種でもペンが使えます。

またモトローラも日本で「moto g pro」を発表。こちらもペンを内蔵しているため手書きが可能です。moto g proのスタイラスペンは充電不要の簡易的なものですが、ビジネスユーザーをターゲットにしています。

一方アップルは今のところiPhoneをApple Pencil対応にさせる計画はなさそうです。ペンを使いたければiPadを選ぶことになります。しかしこれは今までのiPhoneのディスプレイサイズが(Android端末に対して比較的)小さかったため、Apple Pencilを使った最高のユーザー体験を提供できないと考えていたからでしょう。

なお「iPhone 12 Pro Max」のディスプレイは6.7インチですが、ディスプレイを占有してしまうノッチがあるため、仮にApple Pencilに対応しても実際に手書きできるエリアは狭くなります。今後、ノッチレス、あるいはより大画面のiPhoneが出てくればApple Pencil対応はありうるかもしれません。

そしてペンスマートフォン本家といえる存在のサムスンは、2021年モデルからペン内蔵のGalaxy Noteシリーズを廃止して、毎年春ごろに投入するフラッグシップモデルのGalaxy Sシリーズをペン対応にすると噂されています。しかしペンを本体に内蔵させると内部構造が複雑になりますし、生産・販売コストも上がります。そのため下位モデルはペンを内蔵せず別売し、上位モデルのみGalaxy Noteと同様のペン内蔵型となるかもしれません。

スタイラスペンは使わない人には全く不要のものでしょう。そもそも手書きでメモを取る、イラストなどを描きたい、といった用途に使うものですから、万人向けのアクセサリではありません。

しかし、LGやファーウェイが今年に入ってからスマートフォンのスタイラスペン対応を本格化させたということは、一定の需要があるのでしょう。ちなみに筆者はスタイラスペンのないスマートフォンしかメインに使えないほど、日常的にペンを使っています。ペンが必須という職業も十分あると思います。

スマートフォンの大画面化はまだ進むでしょうが、それに伴いスタイラスペンを使うユーザーが増えていくのかもしれません。来年はペン対応スマートフォンの種類が今よりも増えそうです。