アップルは「アプリ市場を公平にした」とApp Store責任者。独禁法に関するクック氏の議会証言前日

「過去」は事実ではあります

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年07月29日, 午後 12:25 in Apple
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Adelaide, Australia - September 23, 2013: Clicking the App Store icon on the new ipad running iOS 7. iOS 7 is the foundation of iPhone, iPad, and iPod touch. It comes with a collection of apps and useful features. The iOS 7 update features a redesigned interface and hundreds of new features.
ymgerman via Getty Images

アップルのティム・クックCEOは29日(米現地時間)に米下院司法委の反トラスト小委員会で証言する予定です。そこでは同社App Storeの慣行がソフトウェア開発者に不利な扱いをしているか、議員らの質疑に晒されると見られています。

その前日、アップルのグローバルマーケティング担当上級副社長フィル・シラー氏が米Reutersによる取材にてApp Storeを擁護したことが報じられています。

現在のApp Storeは一般的に、ソフトウェア開発者に購入額の15~30%もの手数料を徴収し、(手数料逃れのための)ユーザーに外部サイトでサインアップするよう求めることを禁じ、アプリ審査の過程が不透明だとして独占的だとの批判を集めています。

しかしシラー氏いわく、2008年にApp Storeを立ち上げた当時、30%の手数料は開発者を惹きつける説得力ある「低い」マージンを提供する実験だと見なしていたとのことです。

米クリエイティブ・ストラテジーズのベン・バジャリン氏によれば、2000年代半ばには物理的な店舗で販売されたソフトウェアは棚の確保や展示費用として小売価格の50%を徴集されていたそうで、30%の手数料が安かったのは事実のもようです。こうした障壁の高さは、とても小さな開発者が参入できなかったとも述べられています。

シラー氏が語る初期App Store構想の1つは「ストア内のすべてのアプリを平等に扱う」こと。全ての参加者に1つのルールセットが適用され、特別扱いも特別な条件も特別なコードもなし。今でこそ当たり前に思える枠組みですが、「PCソフトはそうではありませんでした。誰もそんなことは考えていませんでした。システム全体の機能のしくみを、完全にひっくり返したのです」と回想されています。

App Store以前にもモバイルアプリストアは存在していましたが、たとえばHandango(Palmやその他のデバイスに配信)でも40%の手数料を課していたとのこと。上述のバジャリン氏は「アップルはそれを全く別次元に引き上げました。30%で、より価値があるものでした」と証言しています。

しかしアプリへの支払い手段が有料アプリに限られていた当時と違い、今ではアプリストア外のサイトでサインアップできるアカウントや定期購読がごまんとあります。それでも頑なにApp Store内での購入しか認めないとすれば、大手アプリを逃してしまいかねません。ひいては、アップルとユーザーともに不利益を被る恐れがあります。

そこでシラー氏は、App Storeのポリシーを調整する必要に迫られたことを認めています。例えばMinecraftのような最大手ゲームの場合は、XboxやPC、Webなど、別の場所でサブスクリプションやアカウントを購入したお客さんがたくさんいる。それがお店(App Store)参入の大きな障壁になっていたため「私たちは独自のルールの例外を作った」とのこと。すなわちゲームアプリ内にアップルに支払われる課金方法を実装していれば、それで外部アカウントへのログインも可能にしたわけです。

一見して頷きかける論理ではありますが、手数料の妥当さに関しては他のアプリストアが高額を徴収し、物理パッケージが主流を占めていた10年以上も昔のこと。そしてストアポリシーを緩めた例としてあげられたゲームはアップル自身が手薄なところであり、他社と熾烈な競争を繰り広げるジャンルではありません。

アップルが独禁法違反として苦情を申し立てられているのは、Apple Musicと真正面から競合するSpotifyや、iOS 13以降の核心の1つであるペアレンタルコントロールと機能がかぶるKaspersky等であり、シラー氏はそれらには言及せず。クックCEOも米下院での証言では、アプリストアを変革したApp Storeの立ち位置が、今や先行者による独占に変容してしまっていると批判を受けるのかもしれません。

Source:Reuters

 
 

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