英ARMが新アーキテクチャ「Armv9」を発表しました。

前世代の「Armv8」から10年ぶりの刷新となる、Armv9。なお、ARMのアーキテクチャはiPhoneやAndroidスマートフォンから最新の「Apple シリコン」を搭載したMac、さらにはスーパーコンピューターの「富岳」にも採用されています。

新アーキテクチャ「Armv9」の特徴はセキュリティ、AI関連処理、そして全体的なコンピューティングパフォーマンスを強化した点です。

まずセキュリティに関しては、Armv9には新しいセキュリティ機能としてコンフィデンシャル・コンピュート・アーキテクチャ(Confidential Compute Architecture:CCA)が搭載され、「Realms」というコンセプトを採用しています。このセキュリティ機能では、全てのアプリケーションがRealmsを利用し、他のアプリとは異なる個別の環境で実行されることで、コードや処理中のユーザーデータが保護されるのです。

さらに、富士通が開発に協力した最新のスケーラブル・ベクター・エクステンション(Scalable Vector Extensions 2:SVE2)も採用。SVE2により5G通信や機械学習、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のワークロードをCPUローカルで処理する際の性能が向上しています。なお、SVEはスーパーコンピューター「富岳」にも採用された技術です。

そしてパフォーマンスに関しては、システムレベルでハードウェア及びソフトウェアの最適化に焦点を当て、ユースケースごとのパフォーマンスを向上させる「トータル・コンピュート(Total Compute)」を採用。これにより、次世代のモバイル環境やクラウドコンピューターにおいて30%以上の性能向上をはたしたとうたっています。

ARMはarmv9を採用したチップがいつ製品として出荷されるのかについては言及していませんが、3000億個のArmv9ベースのプロセッサが出荷されるだろうと予測しています。また、個々のデバイスであれクラウドであれ、世界中の共用データの100%がARMチップで処理されるようになるとの展望を伝えているのです。まさに私達の生活から切り離すことのできないARMの技術ですが、次世代アーキテクチャがどのように私達の暮らしを便利にしてくれるのかに期待したいところです。

Source: ARM