Yada et. al./Nature Astronomy
Yada et. al./Nature Astronomy

1年前、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグウのサンプルは、国際的な科学者のチームによって分析が進められていましたが、このほどこれに関する2本の論文がNature Astronomyで発表されました。論文によると、小惑星リュウグウのサンプルは非常に黒く多孔質で、これまでに人類が太陽系の天体から入手した中でも最も原始的な物質であることがわかったとのこと。

リュウグウは45億年前に太陽系が形成されて以来、ほとんど変化せずに残っており、太陽系を構成する天体が形成された時代のダストの組成がどんなものだったかを知る重要な手がかりになるでしょう。はやぶさ2が現地に到着する前から、観測によってその表面が炭素を多く含む物質で覆われていることはわかっており、また揮発性の元素を多く含んでいるとされていました。

そして、持ち帰られたサンプルを分析して得られた結果を記した論文では、リュウグウは非常に黒く、アルベドと称する太陽の光をどれほど反射するかの指標数値が、0.02という値だったとされます。

一般的な、アルベドの値は、たとえばリュウグウと同じC型小惑星ならだいたい0.03〜0.09、舗装道路の表面に敷かれるアスファルトのアルベドが0.04とされることを考えると、非常にその数値が小さいことがわかります。これは太陽の光が表面に当たってもその光の2%しか反射しないことになります。

また、このサンプルが非常に多孔質だという特徴についても、その気孔率が46%ということがわかり、これまで研究されきたあらゆる炭素質隕石と比較しても最も高い率だと言うことです。

もう一本の論文では、フランス・パリサクレー大学の天文学者らによるチームが、サンプルに含まれるダストの組成を分析し、その結果小惑星がフィロケイ酸塩という粘土状の物質が主成分で、炭酸塩、鉄、揮発性化合物など他の鉱物が含まれていることがわかりました。ただ、ダストからは水分は検出することはできず、カスッカスな状態だったとのことです。

いずれの論文もその組成と多孔質の特徴からリュウグウたCLコンドライトと呼ばれる隕石に最も似ているとされ、既知の宇宙岩石の中で最も原始的なものであることが示唆されています

JAXAの矢田達(とおる)主任研究開発員は論文で「分析した結果はリュウグウが含水炭素質コンドライトに似た物質で占められていることを示唆したリモートセンシングの観測結果を支持・拡張するもので、CIコンドライトと似ていながらもより濃い色を持ち、多孔質で壊れやすい性質であることがわかった。この推論は今後、より高精度な最新の分析手法を用いた詳細な調査によって、さらに確証を得る必要がある」としています。

Source:Nature Astoronomy(1) , (2)