Planet Computers(プラネットコンピューターズ)の5Gスマートフォン「Astro Slide 5G」、現在日本のMakuakeにてキャンペーンが実施されています(2021年12月4日まで)。Astro Slide 5Gは最近のスマートフォンとしてはめずらしく物理的なQWERTYキーボードを搭載した端末で、文字入力を多用する人、たとえばビジネスユースやライター、ブロガーなどに向いた製品と言えるでしょう。

Astro Slide 5Gのクイックレビューはすでにエンガジェット日本版に掲載されており、長年キーボード付き端末を使い続けてきた筆者も早く触りたかったのですがなかなか機会がありませんでした。

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11月になってからようやく実機に触れることができたので、じっくりと使い倒してみました。本体をスライドさせるギミックは楽しく、日本語配列QWERTYキーボードのキータッチも良いなど、キーボード端末好きな人にとって気になる製品であることは間違いありません。なお、今回テストしたモデルは製品になる前のベータ版となるため、製品版とは外観などが若干変わる可能性があります。

Astro Slide 5Gのディスプレイは6.39インチ。最近のスマートフォンとしては一般的な大きさです。縦横サイズは172.4x76.5mm、片手でも十分持てます。

チップセットはメディアテックのDimensity 800ということでミドルレンジクラス。ハードなアプリを使わなければ十分な性能を発揮してくれるでしょう。

▲キーボードを閉じた状態で使ってみましたが、SNSやブラウザ利用など普通に使えます

スライド式のQWERTYキーボードを備えるため、本体の厚みが一般的なスマートフォンの倍程度となる17.8mm。重量も300gあります。ただ、実際に持ってみると樹脂製の本体のためかそこまで重さは感じず、スマートフォンではなく、キーボード付き超小型端末と考えれば十分許容できるかな、と個人的には感じました。本体カラーがブラックではなくブルーなので、外観に重厚感はなくカジュアルなイメージもあります。

▲右側面にはAstro Slide 5Gのスライド機構「RochUp スライダーヒンジ」がちら見えします。普通のスマートフォンにないこのパーツの存在がキーボード付きスマートフォンであることをさりげなくアピールしていますね
AS5G

キーボードを使うときは本体を横向きに。するとホーム画面も90度反転するのでこの向きでもそのまま使うことができるわけです。ディスプレイ左右の下端を親指で上にスライドさせるとキーボードが現れてきます。

このとき片手でスライドさせようとすると、このようにディスプレイが片側だけ動いてしまいます。日本で過去に発売されていた「W-ZERO3」のようにキーボードが滑らかにスライドするようにはなっていません。RochUp スライダーヒンジ機構は「スライド」だけではなく「ディスプレイを立ち上げるヒンジ」という2つの機能を融合しており、スライドするレール部分は背面左右端に離れています。そのため両手を使って左右を同じ速度でスライドさせる必要があります。

スライドさせていくとQWERTYキーボードが現れます。早く指先でタッチタイピングしたくなりますが、その気持ちを抑えつつ本体からやや強めに上までキーボードを押し上げます。このときディスプレイとキーボードの間に隙間が少しできるまで押し上げるのがポイントです。

RochUp スライダーヒンジ機構は本体を完全にスライドさせるとこのようにヒンジが現れ、今度はディスプレイ部分を立ち上げられるようになります。この設計はPlanet Computersのデザイナー、マーティン・リディフォード氏によるもの。同氏はこのようなちょっと凝ったギミックを得意としています。強度は十分ありますが、これを見ると「無理な力をかけずにスライドさせたほうがいい」ということがわかるでしょう。

完全に開いたところで、ディスプレイを立ち上げてキーボードの上部側にひっかけるようにすると、QWERTYキーボードスタイルになります。大きくしっかりしたキーボードが現れ、快適なタイピングが可能となるのです。

まずはこのまま机の上に置いてタイピング。キーボード側の本体に重さがかかっているため、指先を放しても本体が後ろに傾くことはありません。キーボードはノートPCスタイルで台形。この形状のデバイスは他社からもいくつか製品化されましたが、Astro Slide 5Gでは人差し指と中指を使ってノートPCのようにタイピングできます。

ちなみにPlanet Computersの製品は過去のモデル(Gemini PDA、Cosmo Communicator)でもタッチタイピングができる実用性を最大の特徴としています。

本体を傾けたときの傾斜はそれほどきつくなく、文字入力時には見やすい角度。この角度は固定です。一方でフロントカメラを使ってビデオ会議するときにはやや上からのぞき込むような姿勢になる必要があります。とはいえ三脚不要でビデオ会議やチャットできるのは便利でしょうか。

本体を持っての親指入力も快適です。キーの押し具合ですが、左右へぐらつきがあるものの、このサイズにしてはキーストロークが深め。しっかりと押し込めます。「ちょっと触れたら文字が入力されてしまった」なんてこともありません。また過去モデルのGemini PDA、Cosmo Communicatorと比べるとキーを押した後の戻りがやや強めと感じます。

いずれにせよふにゃふにゃしたキーボードではなく、キーボードが使えるスマートフォンとしてしっかり設計されたため、キーの押し具合についてはあまり心配する必要はないでしょう。

日本語かな入力と英語入力の切り替えは「Ctrl + Space」。かな入力時、一部のかなはFnキーまたはShiftキーとの組み合わせになります。また英語(ローマ字)入力時、よく使う長音記号「ー」は「Shift + ね」の組み合わせになるなど、一部記号は慣れが必要です。

本体にはPlanet Computersの独自アプリもいくつか入っています。「Note」はカード型式のメモで、これは実はPlanet Computersのルーツともいえる、1990年代に登場したPDA「PSION」に搭載されていたアプリを現在に蘇らせたもの。キーボードで文字入力が快適な端末だけに、メモや忘備録などを効率的に記録できるアプリが用意されているわけです。

筆者の仕事は文字入力がメインであるため、いつでもどこでも長文入力作業に追われています。そのため普段からノートPCを持ち歩いていますが、近所のコンビニに買い物に行くときはスマートフォンだけで出かけます。しかしそんな時に限って原稿修正の緊急メールが来るものです。また、混んでいる電車の中では椅子に座っていてもノートPCが出しにくい場合があります。

短いテキストならスマートフォンのソフトウェアキーボードで困ることはないですが、がっつり数千文字を書こうと思った時は、やはりQWERTYキーボードが便利。逆に言えばAstro Slide 5Gは文字入力をあまりしない人ならピンとこない製品かもしれません。

▲カメラは4800万画素の単眼なので必要最小限といったところでしょうか

実際に電車の中でちょっと原稿を書こうと思った際、立ったままでAstro Slide 5Gを取り出し、キーボードを使って2000文字を書いたこともあります。文字入力に最適化されたスマートフォンでありながら、キーボードを閉じれば普通のスタイルでも使える、これがAstro Slide 5Gの大きなメリットであるわけです。

現状、キーボード付きスマートフォンは選択肢がほとんどありません。その少ない製品の中でもAstro Slide 5Gは妥協なしキーボードを搭載しており、高い実用性を備えていると感じました。興味ある方はMakuakeのキャンペーンページで詳細を確認してみてください。

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