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11月26日にBALMUDA Phoneを購入してから約10日間使い続けました。筆者は以前の記事「BALMUDA Phone の実機を触って即買いした理由」に書いたように、このBALMUDA Phoneをサブ用途として購入しました。

そのため日々『BALMUDA Phoneはスマートフォンとしてアリかナシか』という付き合い方はしていません。それでは、筆者がメインで使っているGalaxy Z Fold3 5Gと併用して10日間、BALMUDA Phoneはどんな製品と感じ、また使い勝手はどうだったのでしょうか?

BALMUDA Phoneの本体サイズは小さく、握りやすい形状ということで、空き時間にスマートフォンとして触る時間が増えています。筆者はBALMUDA Phoneがスマートフォンではなくデジタルステーショナリー、あるいはスケジュール帳と時計、メモ帳で生活をサポートしてくれるアシスタントだと考えており、スマートフォンとしての使い方はあまりしないだろうなと考えていました。

しかし実際にBALMUDA Phoneを使い続けてみると、ポケットから取り出しやすいことからよく取り出してSNSを見たり地図を検索することが増えているのです。もちろんスマートフォンとして使うならGalaxy Z Fold3 5Gの大画面のほうが快適です。しかし139gで手のひらサイズのBALMUDA Phoneなら、混んでいる電車の中でも気軽に取り出せます。

4.9インチの画面は狭いものの「何度もスクロールしなくては表示を見ることができない」といったことは感じません。たとえ大画面のスマートフォンだろうが、SNSのタイムラインを追いかけるなら結局はスクロールが必要です。BALMUDA Phoneはその頻度が多いだけで、それが面倒とは感じません。ただしアプリの画面で文字入力するときはソフトキーボードが画面をかなり占有し、表示内容が見にくくなります。まあこれも慣れれば気になるほどではありませんでした。

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むしろ画面サイズが小さいため、一度に表示される情報量は少なく、その情報で十分であれば余計な情報にアクセスする必要はなくなります。つまりその点ではデジタルデトックスに近い効果が得られるわけです。

ところがポケットから取り出しやすいため、BALMUDA Phoneを使う頻度は他のスマートフォンを使っていた時よりも増えてしまうわけです。その結果として「スマートフォンを使う時間が増え、むしろ情報にアクセスする時間が増えた」と感じます。

なお、そうやってBALMUDA Phoneであれこれ検索したり動画を見ながら狭い画面が窮屈と感じたら即座にGalaxy Z Fold3 5Gに切り替えます。これが筆者の使い方なので他の方には参考にならないかもしれません。

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ということで、小さい画面だから表示量が少なく使いにくい、というのは本体が握りにくく動作も遅い端末に言えることなのでしょう。BALMUDA Phoneは動作は緩慢ではなく、繰り返しますが丸みを帯びた本体は握りやすいと感じます。

そして独自アプリの中でも一番の目玉と言えるスケジューラも使いやすく、何かあれば常にこのスケジューラを使っています。しかし使えば使うほど大きい画面で使ってみたくなります。

これはGoogleカレンダーをスケジュールだけではなくタスク管理として使っている筆者だからかもしれませんが、BALMUDA Phoneのスケジューラの1日表示では、同じ時間帯にタイトル名を表示できるスケジュールは4つまで。カレンダーの同じ時間にかぶる予定が5つ以上あった場合、4つめ以降はバー表示となり、その部分をタップすることでタイトルが下に並べて表示されます。

スケジューラの画面が横回転すればいいのですがそれもできず、そうなるとさらに大きい画面でこのスケジューラを使いたいと思うわけです。

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他の独自アプリは時計のタイマーをよく使っています。ただこれは他のスマートフォンでも使いやすい時計アプリもあるために、BALMUDA Phoneの圧倒的な差別化機能かというとそこまでではないでしょうか。とはいえビジュアル的にはアナログ感が強く、時間に追われているときに使うと心がちょっと落ち着くかもしれません。

そして一番使い方で悩ましいのはメモアプリです。タイムラインにサムネイルが並び時系列でメモを追いやすいものの、使い勝手は悩ましいところ。メモに文字だけを書いたときは、メモ冒頭が3.5行のサムネイルとなるためメモ内容をあとからざっと見たときに何が書いてあるかを視覚的にすぐ見ることができます。

しかし日々同じ書き出しだと似たような文字が並んでしまい区別しにくいのです。メモごとに7色の色を設定できるのですが、急いでメモを書いているときに「予定だから赤にしよう」と思うこともなく、結果として色による区別のつかないメモばかりが並んでしまうこともあります。

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また小さい画面にテキスト入力でメモを書くのは急ぎの時は面倒だと思いました。画面が小さいものの、指先で手書きメモで「ぎゅうにゅう」などと書けたほうが、急ぎのメモには便利かもしれません。さらにその手書きがサムネイルになればわかりやすいでしょう。

メモは機能だけではなくもったいないと感じられる点もあります。それは他のアプリやデバイスとデータ連携できないこと。他のデバイスと連携しないということは、何かのメモをあとから再利用する際にBALMUDA Phone内でメールやメッセージ、他のメモアプリにコピペする必要があり、手間がかかります。

「このメモはその時の記録を残すだけ」かもしれませんが、今日の予定を書き込んでいるうちに気が付けば買い物リストや雑用などが何行にもなってしまい、これは家族にシェアしなくては、なんて思うこともあるはずです。サムネ表示メモのコンセプトはとてもいいと感じるだけに、自動的なシェア機能は欲しいところです。

このメモアプリと関連しますが、本体形状が丸みを帯びているために「電源ボタン+ボリュームボタンの下」すなわちスクリーンショットを保存しようとしても、両方のボタンの同時押しがしにくいと感じます。それこそ検索や地図でお店を見つけたときに、画面のスクショを取ってそれをシェアしたり保存する人は多いでしょう。

BALMUDA Phoneの電源ボタンは本体右上の裏、それを押しながらボリュームボタンの下を片手でもって押すのは難しく、両手を使っても本来の本体の持ち方ではなくなるため押しにくいのです。他のスマートフォンのように通知バーから下スワイプしてクイック設定パネルを呼び出し、そこに「スクリーンショット」があればいいなと思いました。なおなぜか「スクリーンレコード」は設定でここに呼び出すことができます。

(追記)スクリーンショットは「画面の下から上へスワイプ」ですぐに「スクリーンショット」と表示され、キャプチャできます。記事執筆時点では気が付いておりませんでした。片手操作にしっかり対応しています。

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バッテリーの持ちは厳しい

このように多少不満はあるものの、全体としては満足して使っています。ただ1点、これは前回の記事では触れなかった部分ですが、バッテリーの持ちに関しては厳しいです。スマートフォンを使う時間を減らしたとしても、2500mAhのバッテリーでは1日使うことが難しかったからです。

筆者は当初BALMUDA PhoneにはSIMを入れず、他のスマートフォンのテザリングを利用してWi-Fiでデータ通信を行っていました。そのためあまり活用することもなく、その際は24時間バッテリーが持つこともありました。しかしこれではもったいないと、povoのSIMを入れて単体運用を開始。SUICAアプリも入れSNSアプリもTwitter、Facebook、Messenger、Instagramを入れて使い始めてみました。なおpovoでも5G環境ならば5Gをつかみました。

1日中SNSを見るという使い方が想定されていないため、SNSはなるべくメインマシンのGalaxy Z Fold3 5Gで見るようにしていましたが、ライトユースでもバッテリーの持ちはだいたい11-14時間というところでした。これでは朝充電して家を出て、帰りの帰路まで持たないこともあるでしょう。特に帰路は仕事や勉強も終わりほっとした時間、家族や友人とようやく軽いメッセージのやり取りができるという時間です。しかしそんな時間にバッテリーが残り数%では安心してBALMUDA Phoneを使うことができません。

もちろん筆者は2500mAhのバッテリー容量を知ったうえでBALMUDA Phoneを購入しました。バッテリーが小さければモバイルバッテリーを使えばいいと思ったのです。しかし実際に使ってみると、この小さく「直線のデザインがない」端末に、USBケーブルとモバイルバッテリーをつなぐのは無粋な見た目になってしまうなと感じました。外出中にモバイルバッテリーをつなぎたくない、と思ってしまうわけです。

これに関してはBALMUDA Technologiesの第二弾の製品として、BALMUDA Phoneに合うデザインのモバイルバッテリーとケーブル(現在は黒色しかなく、筆者のホワイトモデルには合わない)を出してほしいところ。とはいえモバイルバッテリーはBALMUDA Phoneのコンセプトに合致しないので出てこないでしょうか。

またもう1点厳しい評価となるのがカメラです。BALMUDA Phoneがスマートフォンを使うことに追われる生活から抜け出す製品となるのであれば、カメラを起動してシャッターボタンを押せば誰もが簡単にきれいな写真を撮れるよう、AI機能を強化するべきでしょう。

現状はモードが「ムービー」「フォト」「料理」「人物」「夜景」と5つあり、写真だけでも4つもあります。Snapdragon 765搭載のため難しいのでしょうが、Snapdragon 888とAIを活用し「意識せずにその場の空気を撮影できる」カメラにしてほしかったところ。

スマートに使えるデバイスというのは、裏側では実は多くの作業が行われています。それを意識させないのが本当にスマートな製品なのではないでしょうか。BALMUDA Phoneのコンセプトを実現させるためには、最高のチップセットを搭載したほうがいいように感じます。

このカメラはSNSなどで報告が見られますが、食事モードにすると青や緑色が強くでる傾向にあります。「まず標準で撮って、次に食事モードで撮り、色が悪ければまた標準で撮る」と、1つの写真を撮るのに3回撮影することがよくあります。こちらの作例で見るとわかりやすいでしょう。まずは標準で撮影。

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続いて食事モード。たしかに青がかっています。しかし「こんなものかもなあ」ととりあえず撮影はしてみます。そして結局、また標準で撮ってみる、という作業を筆者はよく繰り返すのです。

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筆者はBALMUDA Phoneをサブで使うためカメラはめったに使わないと思っていたのですが、本体が小さく存在感を消せるためレストランのテーブルの上に置くことも多く、食事が出てきてすぐ写真撮影をするならBALMUDA Phoneを使おうとしてしまうわけです。当初はカメラ機能は気にしていなかったものの、実際にBALMUDA Phoneを使っているとカメラを起動する機会が増えているのです。

サブのつもりで買ったが、意外に長時間使っている自分がいる

さてまとめとして、このほかにもいろいろと感じたことはありますが、デジタルステーショナリーそしてサブ用途として買ったはずのBALMUDA Phoneを、意外にも長時間使っている自分がいます。これは10万円以上出して買ったからもったいない、と思っているのではなく、本体が握りやすく持ちやすいからでしょう。しかしそうやって使用頻度が高まると、使い勝手に不満も出てくるのです。

もちろんスマートフォンを使いまくる人のための製品でないことはよくわかっています。しかしBALMUDA Phoneを使うことによって得られる快適な時間も、バッテリーやカメラの性能により一気に現実の世界に引き戻されてしまうのです。ぜひ次以降の製品でより最高のユーザー体験を提供してもらいたいところ。

最後に価格に関しては「高すぎる」という声が多く聞かれます。BALMUDA Phoneがどんな製品なのかを理解して10万円を出すのであれば、それは購入者個人の考えであり高い・安いという議論は的外れでしょう。ちなみに筆者は10万円の価値があるかどうかはさておき、自分には使い道があると考え購入しました。

一方「バルミューダの製品だから買ってみよう」と、ブランドだけで手にする人には勧められません。繰り返しますがバッテリーとカメラに関しては、今使っているスマートフォンから乗り換えたときに不満がでるだろうからです。

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バルミューダの寺尾社長が語ったBALMUDA Phoneのコンセプト「スマートフォンに支配されている時間を取り戻す」に筆者は共感します。しかし今回の製品では役不足な部分があるのも事実でしょう。しかし他のスマートフォンにはないコンセプトを持った製品であり、これからBALMUDA Phoneを使い続けていくに新しい発見が生まれるかもしれません。

ひとまず筆者は「購入したけど結局使い道がなかった」とはなりませんでした。引き続きBALMUDA Phoneとの付き合いを深めていこうと考えています。

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