ESA / JAXA
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日欧共同の水星探査ミッション「BepiColombo(ベピコロンボ)」の探査機が、太陽系のなかで最も中心に近い軌道を公転する惑星、水星の最初の接近画像を撮影、地上に送信してきました。探査機は約3年前に地上を飛び立ちました。

欧州宇宙機関(ESA)の発表によると、この画像は水星から約1000kmの位置で撮影されました。探査機はすでに水星へのフライバイで最短199kmにまで接近したことがあるものの、そのときは水星の夜の側に入っていたため画像の取得には理想的ではなかったとESAは説明しています。

今回送信されてきた写真は、探査機が搭載する最も高解像度なカメラではなく、探査機側面にある低解像度な監視用カメラで撮影されました。探査機はESAの水星表面探査機Mercury Planetary Orbiter(MPO)と、日本のJAXAによる水星磁気圏探査機「みお」(MMO:Mercury Magnetospheric Orbiter)がニコイチに合体して水星へ向かっているため、高解像度カメラは内部に格納された状態です。

それでも、低解像度カメラでも水星への接近画像はじゅうぶんに興味深いようで、英オープン大学のデイブ・ロザリー教授はこの画像について車窓からとらえた風景写真のようなものでありつつも「この惑星の姿は何と素晴らしいのでしょう」と賞賛し「表面にクレーターのような部分があったり、火山の溶岩が流出して滑らかになったような部分があります。明るい部分には過去の火山の噴火があった場所があり、表面から物質が放出されているように見えるところもある」と述べています。

ちなみに水星には大気がなく、その表面は昼間は約430℃に達する一方、夜はマイナス180℃の極寒の地へと変貌します。そして昼と夜の時間は、それぞれ地球の時間で約3か月間も続きます。そんな惑星でも、極地付近のクレーターの深い底には氷の痕跡が検出されています。おそらくこれは、氷を含む水星の衝突によるものではないかと考えられています。

BepiColomboの探査機は今後は水星の重力を利用して速度を制御するフライバイを5回ほど行う予定で、その後2025年末頃に、安定した水星周回軌道に入る予定。ESAのMPOとJAXAの「みお」ことMMOが分離しての本格的な科学運用を開始するのは2026年からの計画です。

Source:ESA

via:BBC