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大手キャリアへの対抗値下げをMVNO各社が続々と発表している中、BIGLOBEモバイルを展開するBIGLOBEも、新料金プランを発表しました。mineoのように、データ容量を整理して全面的に料金体系を改めるMVNOも多い一方で、BIGLOBEは現行プランをシンプルに値下げした格好です。

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▲BIGLOBEモバイルが2月19日に新料金を発表。1〜6GBプランまでを値下げする

現状、BIGLOBEモバイルの料金プランは1GB、3GB、6GB、12GB、20GB、30GBの6種類で、このうち値下げが発表されたのは、前者の3つ。12GB以上の料金プランに関しては、「COMING SOON」と記載されているように、今のところ、金額に変化はありません。値下げ幅は、15%から25%の間。もっとも利用者が多いと見られる3GBプランは、1600円から1200円へと下がり、値下げ幅も最大になっています。

逆に元々リーズナブルな料金で提供されていた1GBプランは、1160円から980円と、値下げ幅は小さい一方で、1000円を下回る金額をつけてきました。6GBプランはその中間で、2150円から1700円へと20%オフになっています。また、BIGLOBEモバイルが特徴にしていたゼロレーティングのサービスである「エンタメフリー」も、480円から280円に値下げされました。

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▲ゼロレーティングのサービスであるエンタメ—フリーも、200円値下げした

BIGLOBEモバイルは、KDDIグループの1社として、同社のマルチブランド戦略を担う一翼になっていますが、この料金体系を見ると、KDDI本体が運営する低価格ブランドのUQ mobileと、巧みに差別化が図られていることが分かります。UQ mobileの料金は、3GBプランが1480円。BIGLOBEモバイルの方が200円安く、値下げされたエンタメフリーオプションを付けると1480円と同額になります。

つまり、単純に3GBを使うだけなら200円安く、エンタメフリーオプションをつければUQ mobileと同額になる一方で、動画や音楽ストリーミングなどのサービスが使い放題になります。価格でUQ mobileを下回りつつも、エンタメフリーのところで差別化を図ってきたというわけです。

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▲3GBプランにエンタメフリーオプションをつけると、UQ mobileと同額に

エンタメフリーには、YouTubeやU-NEXT、Abema TVなどの動画や、Apple Music、Spotify、LINE MUSICといった音楽ストリーミングサービスなど、比較的人気の高いコンテンツサービスが含まれています。dマガジン、dヒッツのように、他キャリアのサービスが入っているのもおもしろいところですが、対象サービスのラインナップを見る限り、かなり実用的なオプションだと思います。動画を見まくったり、音楽を聴きまくったりする人には、うってつけの料金プランと言えるかもしれません。

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▲エンタメフリーオプションには主要な動画、音楽サービスが含まれており、実用性が高い

また、BIGLOBEモバイルはISPのユーザーが加入することの多いMVNOで、セット割や家族割引も用意されています。BIGLOBE光に加入しているか、親回線がある場合、料金は200円割引に。1GBプランは780円、3GBプランは1000円、6GBプランは1500円と、価格はさらに下がり、ソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルのセット割価格にも対抗できそうな設定になっています。ここからは、上位ブランドのUQ mobileと差別化を図りつつも、他社グループのワイモバイルに対抗するという狙いが透けて見えます。

KDDIは、小容量をMVNOに担わせる戦略のようで、傘下のMVNOとしては、先にJ:COM MOBILEが料金改定を発表しました。J:COM MOBILEの1GBプランは980円、次の5GBプランは1480円で、こちらもUQ mobileより低容量なプランを用意しつつ、1480円のラインでは、容量を2GB多くする形で差別化しています。

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▲J:COM MOBILEが1月に発表した新料金。こちらも、低容量はKDDI本体のブランドより魅力的な価格設定になっている

「povo」や「使い放題MAX 4G/5G」、UQ mobileの「くりこしプラン」で口火を切ったKDDIの料金値下げですが、傘下のMVNOも含めてマルチブランドでユーザーをグループ内に囲い込んでいくというのが同社の戦略。BIGLOBEモバイルやJ:COM MOBILEの値下げは、その文脈で低容量プランの競争力が高められていることが分かります。

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▲KDDIはグループ全体でユーザーを囲い込み、auへのアップセルを狙う戦略。写真は11月のもので「新ブランド」はその後povoになった

翻って、他社を見ると、ここまで戦略的に料金体系を分けている会社はなかなかありません。ドコモには、UQ mobileに該当するようなサブブランドがなく、低容量から中容量は、MVNOと組んで展開していくことを表明していますが、まだ具体案は出ていません。夏には、NTTコミュニケーションズの子会社化に伴い、OCNモバイルONEをNTTレゾナントに移管する方針。社長の井伊基之氏は、グループ外のMVNOとも連携していくと語っていましたが、実現にはまだ時間がかかります。

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▲NTTはNTTコミュニケーションズをドコモの子会社にしたあと、MVNOなどの個人向け事業をNTTレゾナントに移管する計画。ドコモとOCNモバイルONEの連携が強化される可能性がある

対するソフトバンクには、ワイモバイルやLINEMOがある一方で、LINEモバイルを本体に取り込んでLINEMOにしてしまうため、小容量を担うMVNOが4月以降、なくなってしまいます。各社が値下げに踏み切ったことで、ユーザーのグループ内移動が増えると見られる中、ドコモやソフトバンクがここにどう対抗していくのかが注目したいポイントと言えるでしょう。