バイオソリッド(う〇こ)から水素とカーボンを抽出するゼロエミッション技術が開発

バイオソリッドV ファントムヴィレッジ

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年09月17日, 午前 09:00 in hydrogen
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RMIT
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豪メルボルンのRMIT大学の研究チームが、下水汚泥から水素を生産する非常に低コストな方法を開発しました。この処理プロセスでは、バイオソリッド(いわゆるうんこ)から水素ガスを生成できるうえ、炭素成分もすべて回収して資源化できるとのこと。

研究チームによると、一般的に汚泥は処理されたのち農業用肥料や土壌改良材として再利用されています。しかし、全体の30%は処理されることなく埋め立て地行きになります。また下水から発生する、メタンを主成分とするバイオガスも再生可能な燃料として使うことができるものの、それ自体がCO2に次ぐ強力な温暖化ガスであり、燃焼すればCO2が排出されることから完全なクリーンエネルギーとは言えません。

学述誌International Journal of Hydrogen Energyに査読付きで掲載されたチームの研究論文では、まず下水中のバイオソリッドを炭素を豊富に含むバイオチャー(バイオ炭)に変換します。このバイオチャーには重金属が含まれており、バイオガスから水素を生成するための理想的な触媒として使うことができます。

研究者らは独自の設計で特許も取得済みの超高効率リアクターを開発し、バイオソリッドから水素および高価値なバイオチャーを同時に生成可能としました。人間の排泄物から生成されるバイオガスに見立てた、メタンを豊富に含むガスを用いた試験運転では、リアクターを設定温度900°Cで稼働させ、最初の30分以内にガスに含まれるメタンの65~71%を水素に変換できることを確認しています。

生成されたバイオチャーはカーボンナノ素材でコーティングされ温室効果ガスを捕捉、大気への放出を防止します。環境修復用または農業用の土壌改良材などとして利用されます。

なお、この研究で設計されたリアクターは汚水処理のためだけでなく、バイオマスやプラスチック、コーティング産業向けに利用できる可能性があるとのこと。現在、豪ビクトリア州政府の公益事業会社South East Waterが、この技術の実用化の可能性を評価するため、パイロット設備の建設を開始しています。

研究チームのリーダーを務めるRMIT大学のカルピット・シャア准教授は「バイオソリッドを利用して、バイオガスから完全にクリーンな燃料を生成しつつ、温室効果ガス排出も防止できれば、環境面でも経済面でも大勝利をもたらすことができる」と述べています。もしこれが実現されれば、人間が生活する限り無限に排出されるバイオソリッド(うんこ)がゼロエミッションなクリーンエネルギー源として利用される未来がやって来そうです。

source:International Journal of Hydrogen Energy(ScienceDirect),RMIT University

 
 
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