App Store
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米議会にiPhone標準アプリの削除制限を禁止し、App Storeでの独占を打破しようとする法案が提出されてから2ヶ月ほどが経過しました。

今度は、超党派の議員らがアップルにサードパーティのアプリストアやサイドロード(App Store外からのアプリのダウンロードやインストール)を可能にするよう義務づける法案を提出したと報じられています。


この「Open App Markets Acts」(アプリマーケット開放法案)は、民主党と共和党との垣根を超えた米上院議員らが主導しているもの。

主に米国内で5000万人以上のユーザーを擁するアプリストアを持つ企業のアプリ内課金システムを対象としており、もしも法案が成立すれば、アップルとGoogleが自社のアプリストアでの配信やアプリ内課金システムを使うよう強制できなくなります。

さらにサードパーティのアプリストアも許可するよう求める一方で、アプリのサイドロードも可能とすることを義務づけているのが目新しいところです。


ただし本法案では、プラットフォーム運営企業が、アプリ内課金システムがセキュリティ上必要であることを主張できる余地を残しています。すなわちユーザーのプライバシーやセキュリティ、詐欺防止のための取り組み、または連邦法や州法を遵守するために必要な行為であれば、これまで通りの方針を採っても違法にならないとのことで、ユーザーも混乱しないよう配慮を示しています。

このサードパーティ製アプリストアやサイドロードこそが、アップルにとっては譲れない一線といえます。Epic Gamesとの訴訟でも、アップルはサードパーティ製ストアを許可するとiOSの安全性が低下すると何度も主張しており、そのためにサイドロードも許可していないと述べています。それは法廷の外でも、ティム・クックCEO自らが主張していることです。


とはいえ、App Storeが詐欺的なアプリを承認してしまった例は何度も報じられており、不当に高い課金をするアプリをうっかり特集で紹介してしまったこともあります。自らのApple Watch用アプリを偽装したものをApp Storeに放置されていた開発者が、次々と不正を働くアプリを告発していた(App Storeの審査が不十分であるとの指摘とともに)ことも注目を集めていました。

また今回の件につき、Spotifyは次のような声明を出しています。

Spotifyは、超党派のリーダーシップを発揮してOpen App Markets Actを提出したKlobuchar上院議員、Blumenthal上院議員、Blackburn上院議員の勇気と決意に拍手を送ります。

これらのプラットフォームは、かつてないほど多くの商取引、情報、コミュニケーションを支配しており、彼らが行使する力は、経済的、社会的に大きな影響を及ぼしています。

そのため我々は、議会にOpen App Markets Actを速やかに通過させることを求めます。この法律が成立しなければ、アップル社をはじめとする企業は、自社のサービスに有利なようにルールを変え続け、消費者、開発者、デジタル経済にさらなる損害を与えることになるでしょう。

SpotifyもアップルとはApp Store内の課金システムや手数料で揉めており、EUに独禁法違反調査まで申し立てていることからも、こうした声明を出したのは自然な展開でしょう。その一方でSpotifyはWindows 11とOSレベルで提携する動きも見せており、アップルとマイクロソフトの間でどのように立ち回るのかも注目したいところです。

Source:CNBC

via:9to5Mac