scam app
Nicolas Economou/NurPhoto via Getty Images

アップルがApp Storeでの公開を承認した詐欺アプリにより、iPhoneユーザーの男性が1億円以上のビットコインを騙し取られたと報じられています。

米Washington Postによると、フィリップ・クリストドゥロウ氏は2月にビットコインの残高を確認したいと思い、暗号通貨の管理に使っているハードウェアウォレットの製造元である「Trezor」で検索し、同社の名前や南京錠のロゴのついたアプリをダウンロードしたとのこと。そのアプリの評価は5つ星に近いものでした。

しかし認証情報を入力してから1秒も経たないうちに、貯金(17.1ビットコイン、当時は約6600万円相当で後に1億円以上に値上がり)のほとんど全てが消えてしまいました。このアプリはユーザーを騙して正規のアプリだと思わせるために作られたニセモノだったのです。

クリストドゥロウ氏は、犯人よりもアップルに対して怒りを露わにしています。App Storeを安全で信頼できる場所だと宣伝し、各アプリがストアでの掲載が許可される前に審査していると述べているのに「彼らは私が抱いていた信頼を裏切った」とインタビューに応えています。

アップルによると、偽アプリは「おとり商法」でApp Storeの審査を通過したとのことです。Trezorの名前やロゴや色を使っていたものの、iPhoneのファイルやパスワードを「暗号化」アプリだと騙り、審査チームに対し「いかなる暗号通貨にも関与していない」と述べていたそうです。

そして承認が下りて公開された後、アップルが知らないうちに暗号通貨ウォレットに化けてしまったと述べられています。アップルはこの種の変更を許可していないが、いつ変更されたか検出できず、発生したとき報告してくれるユーザーや顧客に頼っているとの事情も伝えられています。

アップルは詐欺アプリが見つかる頻度や、App Storeから削除される割合についてコメントを控えています。が、昨年「隠された、または文書化されていない機能」を理由に6500本のアプリを削除したと述べています。

巻き込まれたかたちのTrezor社はiOSアプリをそもそも1本も提供しておらず、広報担当者は何年も前からアップルとGoogleに何年も前から偽アプリについて報告してきたと語っています。

被害に遭ったクリストドゥロウ氏がアップルのカスタマーサポートに電話すると、担当者は上司に引き継ぐと回答したとのこと。アップルもFBIに報告したと伝えられていますが、その後クリストドゥロウ氏にアップルからの連絡はないそうです。

また1万4000ドル(約155万円)相当のイーサリアムとビットコインを騙し取られた別のiPhoneユーザーは、アップルの担当者に「アップルには責任がない」と回答されたと語っています。

アップルの広報担当者は「ユーザーの信頼は、App Storeを設立した理由の基礎であり、その後数年間でそのコミットメントをさらに深めてきました」「調査の結果、App Storeは世界で最も安全なアプリケーション市場であることが明らかになりました(中略)。犯罪者がユーザーを詐取した限られたケースでは、このような行為者に対して迅速に対処するとともに、今後も同様の違反行為を防止していきます」と述べています。その言葉が説得力を持つような対応を期待したいところです。

Source:The Washington Post

via:MacRumors