Mike Blake / reuters
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カリフォルニア州公正雇用住宅局(DFEH)は7月22日、ゲームソフトメーカーのActivision Blizzardに対し、女性へのセクハラや差別行為があったことについての訴訟を起こしましたが、Activision Blizzard社はこの申し立てに対し、訴えの内容は過去のBlizzardに関する多くの虚偽の記述があり、事実を歪曲していると主張しています。

DFEHによる訴えは、「World of Warcraft」シリーズ、「Diablo」シリーズ、「Overwatch」などで知られるBlizzard Entertainmentにおける「とどまるところのないセクハラ文化」について告発しています。2019年初めにセクハラや性差別のせいで会社を去った複数の女性Blizzard従業員は、Battle.netチームの女性たちが「男子学生のたまり場でのような職場環境」で日々「セクハラ的な言葉をかけられ」たり、「偉大なゲーマー」や「パーティーに喜んで参加する」ことを好まなければ「排除され、部外者のように扱われていた」と主張していると述べました。

また訴訟のなかでは特にWorld of Warcraftの元シニアクリエイティブディレクターAlex Afrasiabi氏に関する問題が多く提起されており、DFEHはAfrasiabi氏が「ほぼ何の影響もなく露骨なセクハラ行為を行うことが許されていた」としています。

一方、Activision Blizzard側はこの申し立てを否定し、訴えの内容は過去のBlizzardに関する多くの虚偽の記述があり、事実を歪曲していると主張しました。さらに、Activision Blizzard社を2年間わたり調査したDFEHこそむしろ「職業倫理に反する恥ずべき」行為を行ったと非難し、法的措置に訴える以前に苦情を解決するための「誠実な努力」を怠ったと指摘しています。

ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領だった当時の国土安全保障顧問で、今年Activision Blizzardに加わったFran Townsend氏は「10年以上前の事実無根の古い話や脈絡のない話など、当社に対する歪曲され事実と異なるイメージばかり主張されている」と従業員へのメモに記しました。

Townsendはまた、Activision Blizzardが「不適切または敵対的な職場環境やセクハラの問題に対して強硬な対応」を取っていると主張し、「機会均等への取り組みを反映した公正な報酬ポリシーの作成に多大な努力を払っている」とも述べています。

Blizzard Entertainment社長のJ.Allen Brack氏は、Blizzardは「誰もが安心して働ける環境」であるべきだとし「社内の誰もが差別やハラスメントに直面することは絶対に容認できない 」と社員宛のメッセージに記しています。また人々が自分に関する話を名乗り出るのは勇気ある行動であり、持ち込まれたすべてのクレームは真剣に受け止められ、調査されると述べています。また「当社のチーム、そしてプレイヤーコミュニティにとって、さまざまな経歴、見解、経験を持つ人々は必要不可欠だ」「私は”ブロカルチャー(男子学生の仲間内での悪ノリ的な風潮)”を軽蔑し、それと戦うためにキャリアを費やしてきた」とし「疑惑や現または元従業員らの発言には非常に困っている」としました。

Brack氏はAfrasiabi氏の行為についても認識しており、複数回にわたってAfrasiabi氏と社内飲酒や社内イベントでの女性従業員への「親しすぎる」態度を厳しく注意したと主張しています。ただ訴えでは、そうした会談のあとも、たとえば女性にしつこく誘いの言葉をかけたり、身体に触れるなどAfrasiabi氏の行為は改善されていなかったと述べられています。

双方の主張を俯瞰すると、どうやらBlizzard Entertainmentには古くから、例にも挙げられていた男子学生が群れたときに内輪で盛り上がるような、女性に対する明け透けな欲望の発露を厭わない風潮があったようです。またそれは会社の規模が大きくなるにつれ次第に問題だと認識され、それなりの対応や対策も取られて来たものの、DFEHや会社を辞めざるをなかった元女性従業員にとってははまだまだ手ぬるいものでしかないといったところのように思えます。

なお、Eurogamerはこうした一連のやりとりの後に続くBlizzard従業員らのSNS上での反応についてもとりあげています。そしてその反応の多くは、まだまだBlizzardには改善が必要だとする発言が多い模様。そのなかのひとつを挙げれば、たとえば「Overwatch」開発チームの一人は「改革はトップから行わなければならない」「草の根運動やうわべの言葉だけでは、組織的な有害性は解決できない」「私は私に対し良くしてくれるチームに加われて良かったが、「私をよく扱ってくれるチームに参加できてとても幸運だが、有能な人間のように扱われることは運不運の問題であってはならない」と述べています。

Source:Eurogamer, Jason Schreier(Twitter)