Tom McCarthy / Bloodhound LSR
Tom McCarthy / Bloodhound LSR

自動車の世界最高速記録を更新するために作られたものの、慢性的な資金不足で2018年にプロジェクトが破綻、その後解体、売却されようとしていたプロジェクトを英国の実業家イアン・ウォーハースト氏がまるごと取得したことで、華々しく復活したかに見えたBloodhound LSRがいま、ふたたび資金難の窮地に立たされています。

プロジェクトを取得した2019年、ウォーハースト氏は新たな資金パートナーを見つけてふたたび最高速記録へチャレンジする計画を立て、まずはそのためのショーケースとして、2019年10月と11月に南アフリカで試験走行を敢行、英Channel 4によるドキュメンタリー放送などメディアを通じた宣伝を行いました。試験走行ではフルパワーではなかったにもかかわらず、世界第6位の最高速記録を叩き出したことで、本番への期待を膨らませました。

しかし、タイミングの悪いことに新型コロナウイルスのパンデミックが発生、英国のEU離脱により激しく変動する英国経済も相まって「資金調達に深刻な影響」を及ぼしました。

ウォーハースト氏は「現段階ではこれ以上の資金がないため、残された選択肢はこのプログラムを閉鎖するか、プロジェクトを売却して新たなオーナーにバトンを渡し、チームがプロジェクトを継続できるようにすること」だと述べました。

ただし、現状では目標とする速度1000mph(約1610km/h)を達成するには、マシンにロケットエンジンを搭載し、さらにそれを南アフリカのHakskeen Pan塩湖へ輸送する必要があります。これには800万ポンド(約11億円)が必要と見積もられています。

もし、この金額の支援が得られれば、Bloodhoundチームはスポンサーシップおよび権利の販売を通じて多額の利益を生み出すことができると確信しています。

Bloodhound SSCのドライバーであるアンディ・グリーン氏は「この驚異的な技術を航海し、世界中の観客にエキサイティングな冒険に参加してもらうためにも800mphを目指している」と述べました。

1年前、ウォーハースト氏は「もし資金が集まらなければ”プランB”として、プロジェクトを適切に終了」し、まるで地を這うロケットのようなデザインの「マシンは博物館で余生を送らせることを検討する」としていました。コロナ禍で人々の気持ちも沈みがちになるなか、Bloodhoundは世界を驚かせ、エキサイティングさせるニュースを届ける準備ができています。あと必要なのはお金だけです。

source:Bloodhound LSR