Clodagh Kilcoyne / reuters
Clodagh Kilcoyne / reuters

NASAは2週間ほど前、月着陸船の開発に関する29億ドルの契約をSpaceXと交わしました。しかし、契約獲得を競っていたBlue Originは、NASAの選定プロセスが「根本的に不公平」なものだったとして米国の政府監査院(U.S. GAO)に抗議書の提出を行いました。

Blue Originの広報担当者は「NASAは、有人着陸システムプログラムで欠陥ある買収を実行し、土壇場でゴールポストを動かした」と述べ、NASAの言葉を借りれば「よりハイリスクな選択をした」とその契約を非難しました。そして「彼らの決定は競争の機会を排除し、供給基盤を大幅に狭め、遅延するだけでなく、米国の月への帰還を危険に晒すことになる」としました。

NASAは、これまで重要な契約に関しては慣例的に複数企業と契約し双方の競争を生み出しつつどちらかが開発要件を満たせなかった場合のバックアッププランを用意してきました。今回の月着陸船開発に関するプロジェクトもSpaceX、Blue Origin、Dyneticsの3社を競わせる格好で行われてきました。

しかし、Blue Originのボブ・スミスCEOは、今回の選定プロセスでは「われわれには問題を修正する機会が与えられなかった。それは根本的に不公平だった」と悔しさをにじませています。

SpaceXが選ばれた理由については、宇宙飛行士を月(や火星)に輸送するために開発が進められているStarshipの存在があるとされます。Starshipはこれまでのところ数回実施した10km上昇試験のすべてで最終的に爆発を起こしているものの、SpaceXはFalcon 9の1段目ブースター回収を積み重ねており、ついこの間2度目のISSへのドッキングを成功させたCrew Dragon宇宙船の飛行士輸送の実績もこの契約で高く評価される影響を与えたのかも知れません。

月着陸船開発に関してBlue Originは、ロッキード マーティン、ノースロップ・グラマン、Draperと提携して開発を行ってきましたが、米国政府機関が「価格(政府負担コスト)をその最も重要な選定ファクターにしたと嘆いています。そして同社は「実現可能な予算」を明確化することでその決定を覆し「新しいオファーを求める」と主張している。

ちなみにNASAはこの件に関する質問に答えてはいませんが、Blue Originが結果に不満だと言うことは認識しているとしています。

一方、契約を獲得したSpaceXのイーロン・マスクCEOは、Blue OriginのアピールについてTwitterで「Can't get it up. "彼らはまだイッてない(軌道へすら)" lol」と若干下ネタ混じりなツイートを返しています。

Source:New York Times