Star Wars
Star Wars

(Disney+のスター・ウォーズ実写ドラマ『マンダロリアン』の軽いネタバレを含みます。キャラクターの登場等についても知りたくない場合は注意してください)

『マンダロリアン』シーズン2最終話で、新作『The Book of Boba Fett』のサプライズ予告がありました。

スター・ウォーズのオリジナル三部作から登場する人気キャラクター、賞金稼ぎボバ・フェットを主役に据えた作品がとうとう実現することになります。

ボバ・フェットは1980年の『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(エピソードV)から登場するキャラクター (厳密には1978年の黒歴史ホリデー・スペシャル内アニメが初出)。

出番は少なく、台詞はさらに少ないものの、ダース・ベイダーに続くキャラ立ちする悪役を意図して導入されただけあって、歴戦の証を刻んだ鎧や全身に武器を仕込んだ姿、決して素顔を見せない寡黙で謎めいたキャラクターから旧三部作でも有数の人気になりました。

いわゆる正伝では、次作の『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』(エピソードVI)でわりと情けない退場を遂げてしまい、ルーカスをしてDVDコメンタリで「そんな人気と知ってたらもっと活躍させたのに」と後悔させましたが、その甲斐あって前日譚の新三部作では少年時代のボバが登場。「父親」のジャンゴ・フェットとオビ・ワンやジェダイとの因縁、父のまとっていたアーマーを受け継ぐまでが描かれました。

Star Wars
Disney

ボバ・フェットは残念な退場をしたものの、コミックスや小説、ゲーム等のスピンオフでは「実は脱出していた」ていで登場・主役多数。壮大な年代記が描かれましたが、スター・ウォーズのディズニー移管に伴い、お互いに矛盾することも多かったスピンオフ群はまるごと非正史の「レジェンド」扱いとなり、ボバ・フェットの運命も正式には分からないままでした。

(ジョージ・ルーカスのもとでクローン・ウォーズ等を手掛け、現在は『マンダロリアン』のプロデューサーも務めるデイヴ・フィローニによれば、ルーカス的にもボバ・フェットは死亡確定ではなく再登場の機会を残しているつもりだった、そうですが)

仕切り直しとなったディズニー版スター・ウォーズでは外伝のアンソロジー映画『ローグ・ワン』や『ソロ』が制作された一方、 ホバ・フェットを主人公とする企画も、オビ・ワン外伝と共にたびたびうわさになっていました。

そうしたなか、ディズニーが社運を賭ける配信サービス Disney+ 向けの目玉作品として発表したのは、ボバ・フェットとそっくりなヘルメットと鎧を身に着けた別人が主人公の『マンダロリアン』。同族に受け継がれる様式のアーマーとヘルメットは共通するものの、『マンダロリアン』の主人公マンダロリアンは育った環境も哲学もボバとは異なる人物です。

(『マンダロリアン』未見の場合は以下がネタバレになります)

『マンダロリアン』の舞台設定はボバ・フェットが映画で退場してから数年後のため、途中で登場するのではという期待混じりの推測もありましたが、シーズン1には結局出ないまま。しかしエピソードIIでジャンゴ・フェットを演じた俳優テムエラ・モリソンが撮影に入ったらしい、むしろシーズン1でもこっそり伏線が敷かれていたのでは?とファンの期待が高まった状態でシーズン2は始まりました。

スター・ウォーズ『マンダロリアン』二期にボバ・フェット登場?テムエラ・モリソン出演のうわさ

(『マンダロリアン』シーズン2最終話まで未見の場合は以下が大きなネタバレになります)

こうした始まったシーズン2でのボバ・フェット復活は、すでにご覧になったかたならご存知のとおり。まずはボバのボロボロのヘルメットとアーマーを手に入れた別人が新キャラクターとして登場し、ボバ本人は素顔で一瞬だけのカメオ出演と思わせて、主人公マンダロリアンと対峙してアーマーを取り戻してからは、主役をしのぐ歴戦の強キャラ演出がこれでもかと続きます。

マンダロリアンの愛機レイザークレストがあっさり破壊されて以来、主人公チームの乗機としてボバのスレイブI が使われたために、オールドファンにとっては昔からトイやスピンオフで親しんできたあの機体が大活躍するのもサービス。新しい世代のファンにとっても、アニメ『クローン・ウォーズ』のキャラクターが実写で登場しボバ・フェットと対面を果たすなど、人気キャラクター復活にふさわしい扱いでした。

最後の最後でまさかのルーク・スカイウォーカー登場でフィナーレを迎えたシーズン2最終話エピソード8 (通しでチャプター16)でしたが、マーベル映画風のエンドクレジット後シーンでは、ボバ・フェットがタトゥイーンの旧ジャバ・ザ・ハット宮殿へ侵入。ちゃっかり後釜に座り体重も増えたビブ・フォーチュナを引きずり落とし、デーンと玉座に就く様子が描かれます。

Star Wars The Book of Boba Fett
Star Wars

続いて「The Book of Boba Fett / Coming December 2021」。米ディズニーは最終話の配信に先立つ12月10日、Disney+ 向けの新作スター・ウォーズ作品を一挙に10作品ほど発表しており、なかには『マンダロリアン』で実写デビューしたキャラクターが主人公のシリーズも含まれますが、この『The Book of Boba Fett』については言及がなく、マンダロリアンS2最終話エンドクレジット後のサプライズとして初めて発表したことになります。

The Book of Boba Fett についてはまだ正式なリリース等がなく、内容については シリーズなのか単発なのか等も含めて まったく不明。

更新:ディズニーから正式発表。単発ではなく新シリーズで、ジョン・ファヴローとデイヴ・フィローニに加えてロバート・ロドリゲスがプロデューサーを務めることが分かりました。時系列もマンダロリアンと同時期。

ロバート・ロドリゲスはマンダロリアンのシーズン2エピソード6『Chapter 14: The Tragedy』の監督を担当しています。ボバ・フェットがマンダロリアンを追って現れ、アーマーを正当な持ち主である自分に返すよう要求する回。

ロバート・ロドリゲスによれば 、ボバ・フェットがこの回のあとも再登場するかどうか知らなかったため、このエピソードでボバ・フェットを超格好いいキャラクターにしなくては、自分が初めてボバ・フェットのことを知った12歳のときに想像したとおりの、12歳のころのわくわくする感覚を満足させられるキャラクターにすることが自分の使命だと考えた結果、アーマーの装備をフル活用するあのアクションシーンが生まれました。

『マンダロリアン』のシーズン2以降についても、シーズン1配信後の早い時期にジョン・ファヴローがすでにシーズン3を執筆中であると報道されるなど制作は確実であるものの、正式な配信時期については発表がなく、The Book of Boba Fett との関連も分かりません。

『マンダロリアン』の展開については、モフ・ギデオン役のジャンカルロ・エスポジートが「(シーズン2は)今後のシーズン3や4のための土台を築く内容」「謎の答えが明らかになりはじめるのはシーズン3や4」と語っており、3が突然大不評で打ち切りにでもならないかぎり、まだ数年は展開すると考えられます。

Emmys 2020: Giancarlo Esposito Teases The Mandalorian Will Have Seasons 3 and 4 | PEOPLE.com

ボバ・フェット自身についていえば、物語的には鎧を取り戻すまでの展開をマンダロリアンで済ませてしまい、因縁があるらしい旧ジャバ・ザ・ハット1党も一掃する場面が描かれたため、キャラクターとしてどのような葛藤や野望があるのかすら不明。

他のマンダロリアンは一族再興なりの目的がありますが、ボバは別にマンダロリアンではなく、主人公ディン・ジャリンの「鎧置いてけ」因縁に対しても正当な所有者であることを証明したため、よくも悪くも白紙の状態で始まることになります。

40年前の旧作でボバ・フェットを演じ、悠然とした身振りで凄腕のバウンティ・ハンターを表現したジェレミー・ブロック氏は、『マンダロリアン』最終話配信の直前、長く闘病を続けていたパーキンソン病で惜しくも亡くなりました。旧作でボバ・フェットのオリジナルの声を演じたジェイソン・ウィングリーン氏は、2016年に95歳で逝去。

『スター・ウォーズ』ボバ・フェットの旧声優ウィングリーン氏が死去、95歳。セリフは4つ

『マンダロリアン』でボバ・フェット役を務めたテムエラ・モリソンにとっては、2002年のエピソードIIで演じたボバの「父」ジャンゴ・フェット役に続いてある意味再演のようなものでありつつ、ブロックやウィングリーンが作り上げてきたキャラクターを新世代に蘇らせ、新旧世代のスター・ウォーズをつなぐ重大な役割を与えられたことになります。

スター・ウォーズ新作映画・ドラマ一挙発表。長編映画は23年末、Disney+向けは『オビ=ワン』ほか約10本