Igor Bonifacic / Engadget
Igor Bonifacic / Engadget

Braveが、ウェブブラウザーとして初めて分散型ウェブを可能にするプロトコルIPFSをサポートしました。IPFSは2015年頃に登場し、ウェブの世界を一変させる可能性があると言われたプロトコル。

現在もなおHTTPを基本とするクライアントサーバー(CS)モデルで成り立つウェブサイトとブラウザー間の通信を、BitTorrentのようなP2P方式に置き換えることで、障害や外部からの何らかの操作に対する高い耐性を備えることができます。HTTPと仕組みは大きく異なるものの、ユーザーがウェブサイトのURLを通じて必要なコンテンツを格納するノードを見つけ、アクセスできるのは同じです。

IPFSの利点はそのままP2Pの利点で説明でき、コンテンツを一元管理するサーバーでなく、必要な部分を格納している最も近いノードから得ることができるので、アクセス速度が速くなり、障害耐性も高くなると期待されます。さらにWebサーバーを必要としなくなるため、管理運用にかかるコストも不要になり、コンテンツの改ざんや検閲が困難にする利点もあります。

記事執筆時点でBraveブラウザーのアクティブユーザーは月間2400万人とされます。リリースされたばかりのBrave 1.19では、初めて ”ipfs://” で始まるURIを解決してIPFSコンテンツにアクセスが可能になりました。また完全なIPFSノードになることもでき、ブラウザーにP2Pネットワークに情報を発信する側の機能を持たせることもできます。

IPFSプロジェクトを率いるMolly Mackinlay氏は、IPFSによる分散型ウェブが有効になれば、政府やIT巨人たちによる「システムデータの検閲」ができなくなり、たとえばトルコ国内で10万以上のウェブサイトがブロックされたり、中国国内で新型コロナウイルス関連の重要な情報を知ることができないといった制限もできなくなります。

ただ、自由で制限のないインターネットは、我々の理想であったはずですが、ここ最近のフェイクニュースや陰謀論コンテンツが増殖している状況では、インターネットはそうした情報を是正する必要性にも迫られています。トランプ大統領による暴力を称賛する発言はネットを通じて人々を煽動し、米議会前にあつまった群衆の暴徒化を引き起こしました。そのためSNSなどサービス各社はトランプ氏のアカウントを停止し、極右派が集うサービスPerlerもアプリとサーバーの両面で配布と運営を停止させられました。

もしも、IPFSが普及すれば、そのような制限を加えることは困難になるでしょう。今このタイミングでウェブをP2P化する機能を備えたブラウザーを提供するのが適切かどうかはわかりませんが、すでにBrave 1.19はダウンロードが可能になっています。

source:Brave(1), (2)

via:The Verge