taa22 via Getty Images
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カフェインレスのコーヒーやお茶といった飲み物が健康志向の人々に受ける一方で、仕事や勉強の際の集中力増強剤として、カフェイン入りのドリンクを好んで飲用する人も多い両極端な昨今、スイスのバーゼル大学は、カフェインを定期的に摂取する人は脳の構造が変化するとの研究結果を報告しています。

研究によると、カフェインの定期的な摂取は脳の灰白質(かいはくしつ)を変化させ、その密度を低下させるとのこと。実験では20人の被験者を10人ずつ2グループに分け、1日2回の錠剤服用を実施しました。与えられる錠剤は、片方のグループがカフェイン入り、もう片方はカフェインレスの錠剤です。

10日間の実験ののち、両グループ被験者の頭部スキャン結果を比較したところ、カフェインを摂取したグループの報には灰白質の現象が見られたと報告しています。

灰白質は、中枢神経系でも重要な部分であり、知能などに関係します。また知覚プロセスや運動能力もこの部分に支配されています。カフェインは興奮剤であり、これが睡眠の質を低下させることが脳の灰白質の現象を引き起こすのではないかとの推測は以前からありました。しかし予想に反し、実験では両グループとも被験者はよく眠れており、脳の変化に睡眠は関係なかったとのこと。

研究の共同執筆者Carolin Reichert氏は、灰白質の減少は必ずしも脳の機能低下に関係しないとしており、別の研究で脳が灰白質の減少にどう反応し、脳機能に変化を来すかどうかをきちんと調べる必要があるとしました。「灰白質が少なくても脳は高効率に機能するようになり、密度の低さをカバーすることが可能だ」と述べています。

そして「研究の結果は、必ずしもカフェインの消費が脳に悪影響を与えるというものではないものの、毎日のカフェインの摂取は明らかにわれわれの認知ハードウェアを変化させる」としました。

なお、灰白質の減少は一時的なもので、10日間カフェインを摂取し、灰白質が減少したたグループの人たちの脳も、その後しばらくカフェイン摂取を控えれば「有意な再生」が確認されたとのことなので、日がな一日中、水代わりにコーヒーを飲むのでもない限りはカフェインの摂り過ぎに関する心配は必要なさそうです。

source:University of Basel