カナダ警察、テスラ車オーナーを「運転していなかったため」危険運転で逮捕。

寝るなら乗るな、乗るなら寝るな

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年09月19日, 午前 07:50 in Tesla
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カナダ・アルバータ州で、時速150kmで走行するテスラModel Sのドライバーが危険運転のため逮捕され、起訴されました。罪状は危険運転ではあるものの、別にあおり運転などをしていたわけではなく、むしろ”運転していなかった”ことが問題でした。

7月9日、カナダ王立騎馬警察(RCMP)は高速2号線で挙動の不審な自動車が走行しているとの通報を受けました。そのクルマは少なくとも時速140km/hで走行し、運転席も助手席も人影は見えず、完全にリクライニングを倒して寝ているのではとのことでした。

RCMPが現場に向かったところ、当該の2019年型テスラModel Sを発見。自動運転を使用しているように見えました。パトカーが後方から接近し回転灯を点灯させたところ、テスラは自動的に加速し始めたため、警察はレーダー測定器で走行速度を計測、時速150kmで走行していることを確認したため、警告を発してドライバーを起こして停止させました。

まだ20代前半のドライバーは、警察によってその場で速度違反と過労運転による24時間の免停措置がとられました。さらに危険運転容疑によって起訴され、裁判所の召喚状を受け取ったとのことです。

アルバータ州RCMP交通サービスの監督官ゲイリー・グラハム氏は「最近の自動車メーカーはドライバーが安全システムに頼りすぎないよう警告するシステムを組み込んでいますが、あくまで補足的なものにすぎません。これらは完全自動運転ではなく、ドライバーにすべての責任があります」と述べています。

テスラが搭載するAutopilotはアダプティブクルーズコントロール、衝突被害軽減ブレーキ、レーンキープおよび変更アシスト、自動パーキングなどを組み合わせたものであり、自動運転システムの区別上は、いまだレベル2の域を出てはいません。

しかしその機能を過信したドライバーによる死亡事故が、これまでにはいくつか発生しています。テスラのイーロン・マスクCEOは2018年5月の業績報告の際、そうした事故の発生はドライバーが自己満足のためにAutopilotを過信したために発生したものだと非難しました。しかしマスクCEOは、不完全な自動運転機能であるにもかかわらずその名称が「Autopilot(自動操縦)」であることが誤解を招いているという意見などには耳を傾けず、顧客にはむしろAutopilotオプションの装着と使用を奨励しています(テスラは自前のテストカーを走らせるのでなく、顧客が使うAutopilot機能からデータを吸い上げてその開発に用いています)。

テスラのAutopilot機能は、使用時にドライバーがハンドルから手を離してからしばらく経過すると、インパネに警告灯を点滅させ、アラーム音を発してハンドルを握るよう促します。しかしテスラオーナーのなかにはそれを無効化する(そして自らを危険に晒す)ために工夫を凝らし、その様子をYouTubeなどに公開している人もいます

自動車業界が今後も完全自動運転を目指して開発を進めていくことは間違いありませんが、使う側にはいまだそれが不完全で、使い方を誤れば命を落とす、または周囲の人の命さえも奪いかねないことを、もっと強調する必要があるかもしれません。

ちなみに、日本国内でも道路運送車両法の改正により、4月1日からレベル3の自動運転機能を搭載する自動車の公道走行が可能になっています。自動運転レベルを5段階で分ける一般的な分類では、レベル2までは運転支援システム、レベル3以上が自動運転システムと呼ばれます。レベル3では、自動車が運転に必要なすべての操作をこなす機能を備えます。しかしそれでも、何らかの原因により自動運転システムが動作できない状況に陥ったときなど緊急時は、すぐにドライバーが操作を引き継ぐことが求められます。

また従来、レベル3以上の自動運転で発生した事故は、その責任が自動車側つまりメーカーに問われるとされていたものの、4月の法改正においては、たとえレベル3自動運転でも事故が発生した場合はドライバーの責任になるとされています。

なんにせよ、まだ当分のあいだは、たとえ購入した新車の仕様に自動運転の文字を見かけたとしても、運転席に座るドライバーはドライバーとしての責務を全うする必要があるということです。

source:RCMP


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