SpaceXのイーロン・マスクCEOが、将来的にSuper Heavyロケットブースターの垂直着陸用スタンドをなくし、回収時は発射台に直接降り立たせることを考えているとツイートしました。発射台のロケット固定用アームに、ブースターが備える姿勢制御用のグリッドフィンを引っかけるのだとか。
You mean like this? 👀 pic.twitter.com/CxtMR8wOA2
— Chicago Glenn🔋🚗🇺🇸 (@chicago_glenn) December 30, 2020
Super Heavyブースターを発射台に引っかけて回収という発想は、月や火星を目指すだけでなく、地球上の主要都市間の定期運行で頻繁に打ち上げを行う必要があるStarshipにとって、ロケット回収および移動にかかる時間を大幅に削減し、あるいは実質的になくしてしまう良い考えのようにも思えます。マスクCEO曰く、発射台にブースターが戻れば、そのままその上に新しいStarshipを搭載することで「1時間以内に」再び打ち上げが可能になるとのこと。
Saves mass & cost of legs & enables immediate repositioning of booster on to launch mount — ready to refly in under an hour
— Elon Musk (@elonmusk) December 30, 2020
ただ、直径9m、全長70mもあるSuper Heavyブースターの図体を考えても、傘をひょいと手すりに引っかけるようなわけにはいかないことはだれでも想像できるでしょう。それを実現するには、風も吹くなかで、巨大なロケットブースターを正確な位置に降ろすというきめ細やかな制御技術が求められます。
それでも、Super HeavyをFalcon 9よりも頻繁に打ち上げるためには、次の打ち上げまでに燃料補給とStarshipの搭載以外の作業を極力なくすことが決め手であり、マスクCEOは真面目にそれを実現しようと考えているようです。
ちなみに、マスクCEOは火星に持続可能な都市を構築するミッションのためには最大1000機のStarshipを建造する必要があるとも、一連のツイートの中で述べました。いずれも実現にはまだしばらく時間がかかりそうです。
source:Elon Musk(Twitter)