CERN、全周100kmの加速器「FCC」建造承認。ヒッグス粒子やダークマター研究を加速へ

完成は早くて2040年代、費用約2.5兆円はどう集める?

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年06月23日, 午前 11:00 in super-collider
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Ronald Patrick via Getty Images

欧州原子核研究機構(CERN)が、 現在の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の27kmをはるかに超える全周100kmという巨大な衝突型円形加速器"Future Circuler Collider(FCC)"の建造計画を承認しました。

このFCCが完成すれば、物理学者は粒子を100TeV(テラ電子ボルト)を超えるエネルギーで粒子をぶつけて粉砕し、ヒッグス粒子の研究をより正確に行うことが可能となります。またダークマターや未発見の粒子を見つけることなども可能になるといいます。

The Guardianの報告によれば、FCCの建造は2段階で行われるとされます。まず第1段階では、電子をその反物質である陽電子と衝突させ、ヒッグス粒子を大量に生成できるようにし、研究におけるデータ収集の正確性を高めます。そして第2段階で100TeVの衝突エネルギーを利用可能とし、標準モデルを拡張もしくは置き換える新たな粒子の生成までを見据えたものになるとのことです。

とはいえ、CERNはこのほど発表した開発計画に関する文書で、現在の優先事項はLHCの高輝度化のための高磁界超伝導磁石システムの導入だと強調しています。LHCは2030年代半ばまで使用される予定で、FCCのプロジェクトは2038年に開始されると想定されています。

FCC建造のための予算規模は230億ドル(約2兆4600億円)とされます。ただ、今回の計画承認はコンセプトを発表して資金を調達するための第1歩であり、この加速器の計画が実行できるかはまだ確定していません。もし予算が獲得できた場合、巨大な設備が完成するのは工事開始から約10年後になると予想されます。CERNは、まずはこの途方もないプロジェクトを実現するためにEU加盟国およびLHC参加国その他から資金を調達しなければなりません。必要ならば米国、中国、そして日本といった国に資金援助を求める必要性も予想されています。

source:CERN

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