6月に起きた中国とインドの国境紛争から生じた緊張の高まりにより、インドにあるiPhoneのサプライチェーンが混乱を来していると報じられています。
米Reuters報道によると、6月半ばに両軍が衝突した後、インドの港湾施設の税関は検査を強化しており、中国からの入荷を保留しているとのことです。その中にはiPhone組み立てを担当するFoxconnの150以上の入荷(スマートフォンや電子部品を含む)も含まれ、インド南部の2つの工場の従業員は今週ほとんど行える仕事がなかったと伝えられています。
インドのFoxconn工場はタミル・ナードゥ州とアーンドラ・プラデーシュ州の2つにあり、主にアップルおよび中国Xiaomiのスマートフォンを組み立てている施設です。そこでは何千人もの労働者が雇用され、多くは会社が提供する寮に寝泊まりしているとのこと。仕事がなかったあいだ、従業員は寮にいるしかなかったと報じられています。
もっとも匿名の情報筋は、入荷の保留はゆっくりとクリアされ始めていると語っています。またインド税関の関係者も、遅延は一時的な検査措置の増加によるもので、まもなく緩和される見込みだと述べています。
税関検査の強化による影響は、アップルだけではありません。DELLもインドの港で約130ものスマートフォンや電子部品の入荷が止められており、サーバーとデスクトップPCの生産が遅れていると伝えられています。
中印の国境紛争は、ちょうどアップルがiPhone SE(第2世代)の組み立てをインドで始める準備を進めており、米国の対中関税を避けようとしていると報道された直後のことでした。
他にもiPhoneの生産拠点を中国からインドにシフトするとの噂は伝えられていましたが、中国でiPhone等に必須の部品を生産しており、中印関係が険悪な現状が変わらない限り、アップルの目論見はなかなか実現しがたいのかもしれません。
Source:Reuters
Via:AppleInsider