Tingshu Wang / reuters
Tingshu Wang / reuters

中国国家航天局(CNSA)、月面の土壌サンプルを持ち帰る任務を帯びた探査機、嫦娥(Chang'e)5号を日本時間11月25日午前5時30分頃に海南島の文昌衛星発射センターから打ち上げました。リフトオフから約36分後には無事に月へ向かう軌道に乗ったとのこと。

これまで、月からサンプルを持ち帰ったのは米国と旧ソビエト連邦しかありません。もし成功すれば3か国目の月サンプルリターン成功となります。

嫦娥計画は、中国政府が国家的プロジェクトとして展開している一連の月探査ミッション。全体で探査、着陸(有人)、滞在という3つのフェイズを想定しており、探査フェイズではまず第1段階として嫦娥1~2号が月軌道を周回しての探査を実施、第2段階では嫦娥3~4号が月面への着陸探査を行いました。4号では、月の裏側への着陸を世界で初めて成功させたことで話題になったのが記憶に新しいところです。

そして今回打ち上げられた嫦娥5号は、第3段階として月面に着陸して地表のサンプルを採取、帰還モジュールで地球へと持ち帰ることを目的とします。もしこれが成功すれば、嫦娥計画は有人での着陸計画へとコマを進めることになるはずです。中国は、2030年代の終わりまでに月面に研究施設と居住施設を建設したいと考えています。

さて、今回の嫦娥5号は月の夜間の極低温に耐える設計ではないため、月面への着陸・滞在期間は目標地点となるリュムケル山の平野部に日が差している間だけ、地球の時間で言えば約14日間に限られます。探査機は、その間に約1.8kg以上を目標とするサンプル採取を行い、その他予定される観測をこなします。そして最終的に地球に帰還するまでの全行程は1か月未満で完了になる予定です。

なお、過去に持ち帰られた月面サンプルは意外と多く、NASAは1969~1972年の間に有人探査によって合計で約382kgもの月の石や砂を持ち帰っています。またソビエト連邦は、ルナ計画において無人探査機を使い、3度にわたりサンプルを得ました。しかしそれらは最も最近でも44年も前のこと。久々に地球に新しい「月のカケラ」がもたらされるのか、気になるひとは多いことでしょう。

source:CGTN(YouTube)