Guo Zhongzheng/Xinhua via Getty Images
Guo Zhongzheng/Xinhua via Getty Images

いくつかの宇宙ベンチャー企業が計画、また実行している衛星コンステレーション計画は、軌道上に無数の小型人工衛星を投入し、相互に通信することで地上にくまなくブロードバンドネットワークを提供しようとするものですが、それが太陽の光を反射して夜空に輝いて見えることで、天文観測の邪魔になると一部の研究者らから批判されています。

そして今回、SpaceXの衛星コンステレーションStarlinkに対する最新の苦情として国連に申し立てられたのは、中国が運用中の宇宙ステーション「天宮」にStarlinkの衛星が2021年7月1日と10月21日の2度にわたり衝突する可能性が発生し、いずれも予防的な回避行動をとらなければならなかったというものでした。

この苦情に関し、米国の天文学者で軌道ウォッチャーとして知られるジョナサン・マクダウェル氏は12月27日、中国の報告と一致する動きがあったことをTwitter述べています、また中国はStarlink衛星が継続的に軌道修正をしているため、必ずしも予測可能ではなく、むしろ把握しがたい動きをすると述べています。そして、宇宙条約を批准する国は民間企業の関与であったとしても宇宙空間で発生する事故に対して責任を負うことを各国に周知するよう求めました。

Starlink衛星が他の宇宙機に対する脅威になったのは今回が初めてというわけではありません。2019年には欧州の宇宙船が、Starlink衛星の接近に対して回避行動をとらざるを得なくなったとされ、当時SpaceXはソフトウェアのバグのせいで通信が途絶えた性だと説明しました。

とはいえ中国には、2007年に自国の衛星を対衛星ミサイル実験で破壊し、無数のデブリを軌道上に撒き散らかした過去があります。これにより国際宇宙ステーション(ISS)は、これを回避するために何度もマニューバーを実行することを強いられました。2021年にはロシアによる同様の衛星破壊実験でもデブリが大量発生し、やはりISSのクルーは退避行動による対応を迫られました。しかし中国はロシアに対しては苦情を申し立てていません。

中国やロシアの衛星破壊実験は言うまでもなく、衛星コンステレーションによる害の発生も、宇宙を平和に利用するという原則を掲げる宇宙条約の観点からすれば、各国や企業の宇宙における振る舞いが少々独善的になりつつあることを示しているのかもしれません。

Source:United Nations(PDF)

via:Cnet