Dado Ruvic / Reuters
Dado Ruvic / Reuters

マイクロソフトが9月15日までに米国における事業を買収し、米国政府がいくらかの仲介料(?)をブン取ることで落着するかに思えたトランプ大統領によるTikTok閉鎖問題ですが、どうやらまだ悶着がありそうです。

国営の中国日報(China Daily)によると、米国政府がByteDanceにTikTokの事業売却を強制するならば中国はこの「窃盗」を認めないだけでなく「十分な対抗措置」を用意するとしています。また中国Global Times紙は米国企業へのTikTok売却を「公開強盗」と表現しました。

トランプ大統領はもともと米国におけるTikTokサービスを閉鎖させると述べており、マイクロソフトによる買収は容認するものの、そのためにはそれなりの「謝礼」を米財務省に入れる必要があると述べています。

ただし、米国の法律の専門家からは企業買収取引で規制当局の承認を得る条件としてのこのような要求は極めて異例だと指摘する声が出ています。法律事務所DLA Piperのニコラス・クレイン弁護士は、BBCに対し「通常、政府には民間の企業間取引から”分け前”を取る権限はない」と語っています。またMIT Technology ReviewのCharlotte Jee氏は「Mr.トランプの発言は驚くべきものだ。言いたくはないが、これではまるでマフィアのようなやり口だ。半ば脅迫まがいに交渉に介入しておいて、その取引から多額の謝礼を得る権利を主張している」「米国議員は先週、巨大IT企業が大きくなりすぎたことを話題にしていたのに、いまはトランプ氏が自分でそのひとつをさらに傍聴させようとしているのだから本当に奇妙なシチュエーションだ」と厳しく指摘しています。

トランプ大統領の行動における矛盾は通常運行なので、今回もそれを指摘したところで何かが変わるわけではなさそうです。しかし中国側が本当に、ByteDanceがTikTok事業を売却することに口出しをしてくるとなると、9月15日と期限を切っていったんは落ち着いたかに思えた交渉が再び面倒なことになる可能性はあるかもしれません。

TikTokの親会社ByteDanceはかねてより中国政府とは距離を置き、中国の法律上それが可能なのかはわかりませんが、中国当局からユーザー情報などのデータ提出要請があったとしてもそれには応じないと述べています。しかしこの主張に対して米国のポンペオ国務長官は、TikTokを含む一部中国企業によるアプリが「中国共産党に直接データを送信している」と発言、TikTokにとどまらずより多くの中国テクノロジー企業に対し行動を起こす可能性を示しました。

なおこれまでのところ、米国がまるでHuaweiのように、TikTokをこれほどまでに目の敵にする直接的な理由ははっきりしておらず、ポンペオ氏の言うデータ送信が本当にあるという明確な証拠も我々には提示されていません。

source:China Daily

via:Reuters