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自動車部品用の半導体が世界的に不足しており、1月の生産予定だけでも日本ではホンダが鈴鹿製作所で生産する小型車「フィット」を4000台、日産が追浜工場で作る「ノート」を5000台規模で減産することが報じ得られました。トヨタも1~3月期は新型コロナのパンデミック前の水準に戻す計画としていたところを逆に減産せざるを得ない状況になりつつあり、テキサス州サンアントニオの工場で組み立てられているピックアップトラック「タンドラ」を減産するとしています。

米国勢ではフォードがケンタッキー州ルイビルの工場でSUV「エスケープ」と「リンカーン・コルセア」の生産を停止。フィアット・クライスラーもオンタリオ州とメキシコでのSUV生産を一時停止しています。

フォルクスワーゲンは早くから半導体不足を訴えており、12月には北米、ヨーロッパ、中国における生産を減速せざるを得ない状況だとしていました。

自動車業界は新型コロナのパンデミックが影響を及ぼし始めた2020年春に相次いで工場をストップせざるを得ない状況に陥り、米国では2020年上期の新車販売は34%減少しました。そのため半導体メーカーが行き場をなくしたチップの供給割り当てを電化製品に移した結果、自動車工場が再び操業を開始したときには、すでに供給量が大きく減っており、新車販売数が前年比15%減にまで回復した年末には、チップ不足が深刻化し始めていました。

ここですぐに半導体供給を元に戻せれば良いのですが、業界シンクタンクのAutomotive Researchによれば、自動車業界のサプライ網が複雑なため、メーカーがチップを手配してから入手するまでには6~9か月ものリードタイムが必要。そのため現状ではメーカーが期待する供給量が得られていないとしました。

近年の自動車はスマートフォン対応のためのBluetooth接続機能付きインフォテインメントシステムの搭載は当たりまえで、これにハイブリッド化、運転アシストから自動運転といった電子回路コンポーネントを多数組み合わせて構成されるため、半導体は必要不可欠な要素となっています。

新型コロナ禍ではリモートワークや学校の遠隔授業が行われるようになり、パソコンやウェブカメラの需要が拡大したうえ、半導体工場がパンデミックの初期段階で閉鎖対応をせざるを得なかったことも、供給不足に影響し、アップルはiPhone 12の販売開始を数週間遅らせることを余儀なくされました。2020年11月に発売されたPS5やXbox Series S|Xがさらに半導体不足に影響したかまではわかりませんが、いずれにせよ世界的な半導体不足は、ふたたび世界で新型コロナウイルスの勢いが増している現状、自動車の生産を回復するにはまだしばらく時間が掛かるかもしれません。

source:CNBC, ABC