昨今では毎月のように注目の新製品が投入される、USB PD対応の小型ACアダプタ。非常に競争がアツい市場だけあり、“注目の新製品が登場するたびに買いとなる仕様の水準が上がる”ジャンルともなっています。

そんな中にあって、ついに「50×51mm角で最大65W、端子構成は『3CA1』=USB Type-C×3+Type-A×1」という、ヘビーモバイラーでもこれ1つで多くのニーズを賄えそうな仕様の製品が公開されました。

それが、株式会社CIOの『LilNob Share』。現在GREEN FUNDINGで支援募集中ですが、原稿執筆時点ですでに目標金額をクリアしています(支援募集期間は10月15日23時59分まで)。

原稿執筆時点での、本体が入手できる出資プランは1台4280円から(スーパーアーリーバード価格)。量産時の価格は5480円の予定。発送予定時期は2020年10月とかなり早め、本体カラーはホワイトとブラックの2種類です。


▲本体が小型なため、USB端子はほぼ正面パネルギリギリのサイズ

最大の特徴と呼べる点は、なんといっても最大65Wのモデルとしては非常に小さい点、さらにそれにも関わらず、出力端子が計4ポートと多い点です。

▲本体サイズは50×51×30mmと、単純に65W ACアダプタとしてだけでも最小クラスなのが美点。そしてなぜかCIO側の比較対象は鶏卵です

本体の大きさは、50×51×30mm。現状の65W級+複数端子のUSB ACアダプタで小型の製品としては、AUKEYのOmnia Duo『PA-B4』(52×52×30mm/103.5gでUSB Type-C×2基)が代表格ですが、本機はそれより小さいのがポイント。もちろんACプラグは折りたたみ式です。

重量は112gのため、PA-B4と比べると8.5gほど重くなりますが、その分出力端子数は本機が大きく有利。使い勝手では大きく上回ります。

なお、シリーズ名にShareが入っているのは、このポート数の多さから、「複数人やデバイス間で電力をシェアできる」点を強調したものです。

▲Appleの61Wモデル、および他社での対抗となりそうな製品との比較。日本では基本的に直輸入でないと入手できない(が、ヘビーユーザー間の人気が高い)Baseus製品が入っているのが隠れたポイントです

そして小型化を支えるキーデバイスは、最近ではおなじみとなったGaN(窒化ガリウム)ベースのパワー半導体。本機種ではUSB ACアダプタにおいて実績豊富な、Navitas Semiconductor製品『NV6115』を採用する点が明示されているのがポイントです。

本体の小ささに関しては当然CIO側も売りとしており、上図のような比較表も。リファレンス的存在のApple製のみならず、RAVPowerや海外でのスタンダード的存在となっているBaseus製品との比較もなされています。


▲使用するUSBポートと最大電力の関係表。これだけ詳細な情報を掲載してくれるのは嬉しいところ

端子構成と並んで実用性を決めるのが、複数端子を使った際の出力仕様。こちらに関しては、非常に親切、かつ詳細な仕様表が公開されています。

主要なところを紹介すると、1ポート時は最大65W、2ポート時は最大45W+20W。3ポート時は最大20W×3という仕様となり、4ポート全部では20W+20W+15W(この場合のみ、USB Type-C×1とType-Aでの合計制限が付きます)となります。

この仕様であれば、2ポート同時使用まではType-Cの1基に対して45Wが出力でき、それ以上の併用でも、Type-C側の2基は20Wを確保できる……というのがポイント。

スマートフォンやタブレットであれば3~4台の同時充電でも実用域となるスペックです。

▲LilNob Shareの基本仕様。「GaNチップ」としてNavitas NV6115が明示されている点と「対応急速充電規格」欄に列挙された、ほぼ全部入りでは? とも思える仕様の多さがポイントです

また、対応する急速充電仕様が非常に多いのもポイントです。USB PD 3.0に加えて、USB PDでのオプション仕様となるProgrammable Power Supply(PPS)、さらにスマートフォン向けにはクアルコムのQuick Charge系(4+にも対応)をはじめ、Galaxyシリーズやファーウェイ製スマホ、MediaTek製SoC搭載機向けといった急速充電仕様にも、非常に幅広く対応します。


▲余裕の手のひらサイズで、豊富なUSB端子を備えた本機は、間違いなく注目モデルと呼べるでしょう

このようにLilNob Shareは、そもそも65W出力のUSB ACアダプタとしては非常に小さいにも関わらず、USB端子の豊富さでも群を抜く実用性の高いモデル。「3C1A」という端子の数と構成も、Type-Cシフトが進むヘビーモバイラーの事情に沿った嬉しい仕様。超小型ACアダプタのトレンドを多ポート化へと、一気に牽引しそうな存在となりそうです。

ファンディング中のため、当然ながら一般的な製品購入と比べるといくつかのリスクはありますが(といっても、既に目標を達成していることから低めではあります)、その反面価格の割引率は相応なもの。興味を惹かれた方には、十分検討に値する条件ではないでしょうか(ただ、おそらく本機が刺さるようなユーザーは、ここ数か月でACアダプタが非常に増えているのでは、とは思いますが……)。

Source:CIO ニュースリリース(PR TIMES)

Source:GREEN FUNDING(プロジェクトページ)