[名称] Clik! PC Card Drive
[種類] 磁気ディスク
[記録方法] 磁気記録
[サイズ] 85.6×54.0×5.0mm
[容量] 40MB
[接続] PCカード(ATA)
[電源] PCカードスロット
[登場年] 1999年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「Clik! PCカードドライブ」は、Iomega社が開発したリムーバブルディスク「PocketZip(Clik!)」用のドライブ。その名の通り、当時のノートPCで標準搭載されることが多かった拡張用スロット、PCカードスロットに装着して使うドライブです。

PocketZip(Clik!)は40MBと容量は小さいながらも、約50×55×1.8mmとコンパクトなサイズが魅力で、音楽プレーヤーやデジタルカメラといった小型機器での利用が想定されていました。

フラッシュメディアと違いディスク駆動部、つまりモーターを内蔵する必要があるにも関わらず、厚みはType II(5mm)となっていることが驚きです。メディアの挿抜機構が必要なぶんHDDよりもハードルは高くなると思うのですが、それでもこの薄さにこだわったというのは、サイズを重視していたということなのでしょう。

ちなみにIomega社は、Bernoulli DiskZipのように大きめなメディアのドライブ製造経験はあっても、PocketZip(Clik!)のような小型ドライブは製造していません。そのため、このClik! PCカードドライブは、シチズン時計との共同開発となっていました。時計をはじめとする精密機器、電子機器に長けていたメーカーと組むことで、このサイズを実現したわけです。

ちなみにClik!は後にPocketZipへと名称変更しましたが、このドライブの名前はそのままでした。

見た目はPCカードとなるので、これといった面白味はありません。

ドライブとメディアを並べてもサイズ感が分かりにくいので、比較用のSDカードも置いてみました。メディアはちょうどこの写真通り、ドライブの下の方から挿入します。

メディアの挿入口は、通常時にホコリやゴミが入り込まないようシャッターで保護されています。といってもロック機構などはないため、メディアなどで押せば簡単に開きます。

奥まで押し込むとカチャっという音がしてメディアがロックされ、アクセスが可能に。この状態ではメディアは1.5㎜くらいしか飛び出ておらず、ノートPCの装着した状態でもジャマになることはありません。

メディアを取り出すには、このちょっとだけ飛び出た部分をもう一度奥まで押し込めばOK。するとロックが解除され、バネで押されて出てくるという構造です。

上の写真が、メディアが出てきたところ。出てくるといっても1cmくらいなので、指でつまんで引っ張り出す必要があります。

先にUSB接続のドライブが登場していますし、PC用のストレージとして考えれば、PCカードスロット用のドライブを開発する必要性はあまりありません。

それでも開発したということは、ノートPCで手軽に使えるメディアという立場を狙っていたのではないでしょうか。外付けのドライブでは着脱の手間もありますし、とくにノートPCだと、持ち歩きに不便だというのがネックになります。

その点PCカードであればノートPCに挿しっぱなしにできるため、ほぼ内蔵ドライブと同じ。ヒットしながらPCへの内蔵が進まなかったZipのことを考えれば、PCカードスロット用のドライブを作るというのは、納得できる理由です。

また、小型のドライブがあるというのをアピールすることで、音楽プレーヤーやデジカメで採用しやすくする、といった狙いも考えられますね。

ただし、発売当時のドライブ価格は2万円台半ばで、メディア価格は1枚1500円前後。40MBしかないメディアを使うためと考えると、だいぶ割高です。何より、PocketZip(Clik!)を採用する機器がほとんど登場しなかったため、狙ったであろう利便性が発揮されず、残念ながら普及しませんでした。

連載:スイートメモリーズ

参考:

Iomega PocketZip PCカードドライブ, Iomega, Wayback Machine
IOMEGA CORPORATION ANNOUNCES NEW POCKETZIP(tm) BRAND, Iomega, Wayback Machine
アイオメガ、PCカードスロットに入るClik!ドライブ, Impress
今週見つけた新製品 1999年7月3日号, Impress