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8年前の2013年、ニンテンドー3DSで「ポケットモンスターX・Y」が、PS3で「The Last of Us」などがリリースされた一方で、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」が大ヒットを記録した年に、突如現れてブームになったのが「クッキークリッカー」という無料のブラウザゲーム。

OrteilことJulien Thiennot氏が開発した本作は、ただクッキーをクリックして増やすだけのゲームで、日本における「放置ゲー」や「クリックゲー」の火付け役的な存在でした。本作はSNSで話題となり、多くのゲーマーが画面の前で(恐らくSNSや艦これをやりつつ)クッキーを焼いていました。当時からSNS等に触れていた人ならば、プレイはしていなくとも本作や、本作のマスコット的な存在である「グランマ(通称:クッキーババア)」がミーム化されていたことは記憶に残っているのではないでしょうか。

そんなクッキークリッカーですが、ブームが収束した後も頻繁にアップデートが行われており、一定のファンを獲得していました。そして、今年9月にSteam版がまさかの登場。ブラウザ版は無料でしたが、Steam版は520円となっています。Steamでの評価は本記事執筆時点で「圧倒的に好評」、直近の最もプレイされているゲームでも上位に入るなど、再び注目されていることが伺えます。

クッキークリッカー(Steam)

ブラウザ版とSteam版でゲーム性は変わりませんが、Steam版ではクラウド保存機能や、マインクラフトの作曲家であるC418氏がBGMを担当するなど、パワーアップ。特にクラウド保存は目玉機能で、セーブデータのバックアップを取らずにブラウザのCookieを削除してしまうと、クッキークリッカーのデータも削除され、せっかく増やしたクッキーが失われてしまうということがありましたが、その心配がなくなりました(これだけで500円の価値があるかもしれません!)。

また、本作は日本語にも対応している他、ブラウザ版からのセーブデータインポートにも対応しているので、これまで焼いてきたクッキーを引き継ぐことが可能です。

■クッキーをクリックして施設を購入!

そんな本作の目的は、ひたすらクッキーを増やし続けること。プレイヤーはまず、画面左のクッキーをクリックすることでクッキーを増やしていき、手に入れたクッキーを通貨のように使用することで、クッキーを自動で生産してくれるグランマや、農場や工場などの施設、各生産手段をパワーアップできるアイテムを購入して、「Cps(Cookies per second)」を増やし、より効率的に、大量のクッキーを生産することを目指します。

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画面左のクッキーをクリックすればクッキーが増えていきます。また、手に入れたクッキーで、自動的にクッキーをクリックしてくれるカーソルを購入できます

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本作のアイドル枠であるグランマは、クッキーを焼いてくれるだけでなく、他の施設で働いてくれます

生産手段として、クッキーを焼いてくれるグランマまでは納得できますが、後に続くのはクッキーの種からクッキーを育てる農場や、金をクッキーに変換する「錬金術ラボ」といったぶっ飛んだ設定のものばかりで、ゲーム序盤からカオスな世界観についつい笑ってしまいます。因みに、ゲームが進行すると、転生をして強くてニューゲームをしたり、グランマが世界を破滅に導いたりと、よりぶっ飛んだ展開が待っています(笑)

■地道なアップデートで追加されていたミニゲーム、膨大な数の実績も

また、ブラウザ版で8年間、地道なアップデートを続けていただけあって、ミニゲームやドラゴンの育成といった、筆者の知らない追加要素が大量に存在。最新のミニゲームである「株式市場」は2020年に実装されたばかりとのことで、思ったよりもしっかりとした株取引をすることが可能です。

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株式市場で取引されているのは「塩(奇抜な試薬から)」や「シナモン(次元の交換から)」といったもので、一定時間ごとに価格が変動します

また、本作は500を超える実績が実装されており、これを収集することも生産効率の上昇に繋がります。実績もユーモア溢れるものが多数存在する他、600文字を超える実績が存在。こちらはSteam史上最も名前の長い実績とのことです。尚、この実績は取得条件が「秒間10垓枚のクッキーを生産する」という、かなりハードなものとなっています。

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最も長い実績はブラウザ版から存在し、ナビスコの共同創業者であるAdolphus.W.Green氏のwikiからの引用とのことです

■Modでの拡張もサポート!

さて、そんな本作ですが、プレイを続けていると、現状のCPSでは満足できず、更なる力=チートを使いたいと思う方もいるでしょう。そんなプレイヤーのために、本作はModをサポートしており、好みに合わせた拡張・改変が可能となっています。

本作のModには、自動クリックに留まらず、ランダム要素をコントロールするものや、ミニゲームを追加するものまで様々。執筆時点では確認できませんでしたが、今後見た目を変更するスキン系のModも登場するかもしれません。尚、Modは今後、ワークショップからのインストールも可能にするとのことで、そうなれば、より手軽にModを導入することができるようになります。

本作がスコアを競ったりするゲームではないということもあってか、開発陣もチート等には肯定的なようです。自動クリックツールを使用しなければ得られない実績も存在していることからも、外部ツールに関する姿勢が伺えます。とはいえ、外部ツールやModの使用はゲーム性を著しく変化させてしまうので慎重に検討しましょう。

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Modの管理はゲーム上で行うことが可能です

■放置ゲームの一つの完成形

改めて本作をプレイしてみた結果、寝て起きるとクッキーが増えていて嬉しかったり、仕事の合間にクッキーを眺めるのが小休憩になったりと、日々の中に小さな喜びが増えたような気がします。シンプルで、競争もないにも関わらず、こうした喜びや達成感を得られる本作は、放置ゲームの一つの完成形といってもいいのではないでしょうか。

最後に、完全に余談になりますが、本稿執筆にあたって驚いたのが、妻がクッキー廃人だったのを知ったこと。PCの不調でデータが飛んでしまったらしく、膨大な枚数のクッキーが喪失したことに心を痛めていたらしいのですが、クラウド保存のできるSteam版の登場に歓喜していました(笑)

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妻は大量のクッキーを生産していました……Mod等は使用せず、かなりの時間を費やしたようです

クッキークリッカー(Steam)