Cyberpunk
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延期の末ようやく発売されたもののバグやクラッシュの多さが話題になっている近未来RPG『Cyberpunk 2077』について。

【PS4】サイバーパンク2077 (Amazon)

開発元CD Projekt Red は初代PS4 / Xbox One版のゲームプレイを発売前に公開しなかったこと、それにより「十分な事前知識なしに本作をご購入させてしまったことを深くお詫び申し上げ」、返品・返金対応をとることを明らかにしました。

更新:ソニー、『サイバーパンク2077』をPSストアから削除・返金受付。PS5でも購入不可に

サイバーパンク2077は、『Witcher』シリーズで知られるポーランドのスタジオCD Projekt Redが、サイバーパンクものの古典アナログRPG『Cyberpunk』シリーズの世界をコンピュータゲーム化した作品。

大作オープンワールドRPGとして知られるウィッチゃー3を凌ぐ規模の作品として、開発発表の2012年以来「完成した時が発売日」、つまり納期ありきで無理にあわせるのではなく、完成度を最優先するポリシーで開発されてきました。

ついに予告された発売日は2020年4月でしたが、新型コロナウイルス感染症の流行への対応などから9月に延期。その後は「コンテンツはすべて作り終わっているが、バグ修正とバランス調整で完成度を高めるため」「苦渋の決断」と称して11月19日へ再々延期。

10月末には「初日パッチの作業量見積もりが甘かった」として12月10日へと、小刻みに延期を繰り返したのちついに発売を迎えました。

CD Projekt Red
CD Projekt Red

しかし発売後、ゲームがクラッシュする、クエストが途中でクリアできなくなるといった進行不可能なバグ、男性器や女性の乳房が服を貫通して表示されるエクストリーム露出バグ、光感受性発作を誘発する場面、配信用に著作権侵害にならない曲のみかかるはずのモードでも第三者の著作権侵害になりうる曲が流れるバグなどが大量に残っていることが明らかになり、リリース直後からホットフィックスをリリースしています。

CD Projekt Redは開発の遅延について、家庭用ゲーム機の世代交代期であることに加え、クラウドゲームのStadiaにも対応したことで開発ターゲットのプラットフォームが計9つにもなっことを理由に挙げていました。ふたを開けてみれば、特に初代PS4とXbox Oneについては、バグを無視してもパフォーマンスや描画のバグが多く、低いグラフィック水準でも30fpsを大きく割り込むなど快適とはいえない状態です。

CD Projekt Redは今回の謝罪・返金受付発表のなかで、今後の修正・アップデート予定についても明らかにしました。配信したばかりのホットフィックス1.04に続き、一週間以内に次のホットフィックスを、そののち1月と2月に大型パッチを配信する予定です。

「これらにより、PlayStation 4およびXbox One版で発生している大きな問題を修正できる見込み」としつつ、もし現状に満足できない場合、返品を受け付けるとしています。

返品・返金はデジタル版ならばそれぞれのコンソールのストアで、パッケージ版の場合は日本語版なら発売元のスパイク・チュンソフトのサポートか、CD Projekt Redの返金受付窓口を案内しています。ただし「お問い合わせは、この告知の発表後から12月21日まで受け付けます」。

CD Projekt Red
CD Projekt Red

大規模なゲームであるほどリリース後に修正しきれなかったバグが見つかるのはよくある話で、待ちに待って発売日に買うほどのプレーヤーであれば、いずれ直してくれればそれでいい、進行不能だけなんとかしてくれれば待つよというプレーヤーも多いはずです。

規模が大きく、プラットフォームも多く、想定外のパンデミックもありどうしても間に合わなかった、労働環境改善で止めたはずのデスマーチを繰り返しても不可能だったこと自体は、見込みの甘さを問われこそすれ、無理なものは無理なので仕方がありません。

しかし今回のサイバーパンク2077については、初代PS4 / Xbox Oneでは進行不能バグや性能差以前に通常のプレイにも「大きな問題」があること、事前に公開されていた他プラットフォームのゲームプレイ映像では購入の参考にならないことが起動すればわかるレベル。

ゴールド以降はDay 0/Day 1パッチ作業を続けていたとCD Projekt Red自体が述べているとおり、前世代ゲームでのプレイを出さなかったのはやむを得ぬミスではなく「判断」、ゲーム自体の前評判悪化や買い控え、予約のキャンセルを招けばすでに動かせない今期の売上に響き、今後数年にわたって展開する主力商品の初動に響くことを恐れて「出さなかった」と考えられても仕方ありません。

CD Projekt Redは11月への何度目かの延期の時点で、「(略) こういった決定が皆様の弊社に対する信頼を損なうのは重々承知しており、信頼の喪失と引き換えに開発期間を伸ばすというのは、ゲーム開発会社にとって苦渋の決断です。」と、大変に誠実で真摯な謝罪をしていました。正直で好感が持てる、いつまでも待つからええんやで、開発者の健康に気を付けてくれ、と思ったゲーマーも多かったと思われます。

今回の事後謝罪も文面としては真摯で誠実で、返金受付は大きな決断ですが、「十分な事前知識なしに本作をご購入させてしまったことを深くお詫び」の前に(納期優先で大きな問題を抱えたまま、今さら延期はもうできないのであえてお見せしなかったことで)をつけてくれたほうが、重々承知しているという信頼喪失ダメージを抑えるためにはよほど有効だったと思われます。

(あるいは「家庭用ゲーム機でのパフォーマンスについて、もっと注意を払うべきでした」というように、前世代機で遊ぶようなプレーヤーなら「大きな問題」そのままでも無視できる程度の苦情しか出ないと踏んでいた可能性もありますが。)

とはいえ、これがサイバーウェアだったらバグで物理的に脳が焼き切れたり、人格が消去されかねなかったと思えば、PS4/Xbox Oneで良かった!と前向きに解釈したいと思います。