前評判は高くも幻に終わった光ディスク「DataPlay」:スイートメモリーズ File032

日本では東芝と組んで頑張ってました

宮里圭介(Keisuke Miyasato)
宮里圭介(Keisuke Miyasato), @miyasa
2020年09月21日, 午前 08:00 in sweetmemories
0シェア
FacebookTwitter

[名称] DataPlay
[種類] 光ディスク(650nm)
[記録方法] 相変化記録(追記型)
[サイズ] 32mm
[容量] 500MB
[登場年] 国内未発売(2002年頃~)

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

「DataPlay」はデータプレイ社が開発し、片面250MB、両面で500MBという容量を実現した光ディスク。最大の特長はその小ささで、なんとディスクの直径は32mmしかありません。記録方法はDVD-RWなどと同じ相変化記録となっていますが、書き換えはできず、1度だけ書き込み可能なWORM(Write Once Read Many、ライトワンス)のメディアです。

小型ながらも容量を確保するため、DVDに近い技術を使用。また、音楽プレーヤー向けを意識した作りとなっていて、単純に楽曲データを暗号化できるというだけでなく、事前に記録してあるデータを後からロック解除して読み出せるようにできるという、面白い著作権管理機能が採用されていました。

これをうまく使えば、解除キーのみの販売で新しく聞ける曲を増やす、といったことが可能となります。例えば、ディスクは無料で配って体験版部分だけを試聴可能とし、解除キーを購入した人だけアルバム全体が聞ける……なんてこともできるわけです。

さて、メディアの詳細を見ていきましょう。このDataPlayはディスク単体ではなく、シャッターのあるカートリッジ収められたタイプ。サイズは34×42×3mm。だいたい、SDメモリーカード2枚分よりも小さいくらいです。

カートリッジの形状は耳のついた独特なもので、透過性の高い素材で作られているため、中のディスクが丸見えです。アクセス部はシャッターによって守られ、ホコリやゴミの侵入を防いでくれます。

このシャッターはロック機構が仕込まれているので、そのままズラそうとしても開きません。また、そこそこ強めなバネで閉められているので、万が一ロックが解除されたままになっていたとしても、開いたままになることはないでしょう。このあたり、同じ小型メディアのPocketZip(Clik!)に近いです。

冒頭で「片面250MB、両面で500MB」と書いていたように、DataPlayはディスクの両面を使用できます。とはいえ、通常ドライブにはヘッドが1つしかありませんから、両面使うには、表裏をひっくり返す必要があります。

ということで、ちょっと斜めからシャッター部分を見てみましょう。A/B両面、それぞれが別のシャッターで守られていることがわかります。これだけ小さいのに、どこまでこだわって作っているんだろうと感心してしまいますね。

こちらは、シャッターを開いてみたところ。左端にテープが見えますが、これは単純にシャッターを開けたまま固定するために貼っているだけなので気にしないでください。

こうしてみると、サイズこそ小さいものの普通の光ディスクっぽさがあるのが面白いです。

ちなみに、日本語の紹介記事ですと「500円硬貨くらいのサイズ」みたいなことが書かれていたりしますが、500円硬貨は直径26.5mmなので、明らかにサイズが違います。他に比較しやすい身の回りのものが思い当たらないとはいえ、さすがにこれを同サイズとして扱うのは微妙な気が……。

データプレイ社はベンチャー企業ではあるものの、ショーへの出展、メディアへの露出に積極的なうえ、音楽業界への働きかけも強く、いくつかのレーベルとアルバム発売での契約まで行なっています。日本では東芝と組み、発表会の開催やインタビューなどで広く宣伝活動を行っていました。

メディアの製造もImation、RiTEKの協力をとりつけ、スケジュールは遅れながらも音楽アルバムの発売間近にまでこぎつけていたわけですが、2002年10月、資金不足に。結局、このときは本格的に発売されることはなく、知名度の高い幻のメディアとなってしまいました。

といっても、すでにプレーヤーなどの製品はいくつか完成しており、iRiverのiDP-100やHyun WonのDPD100などが、数は少ないものの海外では発売されたようです。

興味深いのが、DataPlayはここで終わりになっていなかったこと。

DPHI社がDataPlayの知的財産を購入、ファイルシステムを独自のDFS(DataPlay File System)から一般的なFATへと変更し、SDメモリーカードからバックアップを取るデバイスを作成しました。FKDが2004年のCeatec Japanで、「Bridge MARINE」という製品として参考出品しています。

ただし、結局これも発売されなかったようなので、幻のままなんですけどね。


参考:

DataPlay.com, WayBack Machine
DataPlay, WayBack Machine
直径32mm、両面500MBの超小型光ディスク「DataPlay」, PC Watch
企業インタビュー「日本データプレイ」, EMD.GR.JP
Consumer Electronics Show 2001, HowStuffWorks
DataPlay (2002 - mid 2000s), Museum of Obsolete Media
DataPlay Discs Stage a Comeback, PCWorld
CEATEC JAPAN 2004 レポート, DigitalCamera.jp


 

TechCrunch 注目記事新型コロナのソーシャルディスタンスを支援するビデオチャットアプリ8選

新型コロナウイルス 関連アップデート[TechCrunch]

 

関連キーワード: sweetmemories, removable media, pc, storage, personalcomputing, personal computing, news, gear
0シェア
FacebookTwitter