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KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルを含む、電気通信事業を営む28社は、趣旨に賛同する37社を代表し、NTTによるNTTドコモ完全子会社化に対する意見申込書を11月11日付けで総務大臣に提出しました。

37社を代表し、携帯3社が開いた記者会見では、NTTのNTTドコモに対する出資比率の低下を通じて、強大なNTTグループと競争事業者間における公平競争が求められてきた経緯に触れ、今回の完全子会社化は、そうした競争政策を反故にすると問題視しています。

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具体的に懸念するのが、5G時代で重要となる光ファイバー網の独占です。5Gでは従来より高い周波数を使うため、基地局をより密に配置する必要があり、必要な光回線数が大幅に増加します。

NTT東西は全国の光ファイバー設備の75%を握っており、公社時代から承継した全国津々浦々の電柱・管路・とう道、そしてほぼ全ての市区町村に約7200の局舎を保有しています。

このNTT東西とNTTドコモが同じグループ会社として資本的に完全に一体化することで、各種情報から利用手続き、提供条件や料金を含めて、NTTグループ全体の利益が優先されるとの懸念です。

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▲5Gに不可欠な光ファイバーの設備シェアでNTT東西は圧倒している

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▲ドコモ完全子会社化にって起こり得る問題の一例。光回線の卸価格が「同等条件」だとしても、NTTグループではない競争事業者のみ不利になる可能性がある

このため、意見申込書ではNTT東・西の光ファイバー利用に関するNTTグループと競争事業者間の完全な同等性の確保・ルールの厳格な運用を求めるほか、NTT東西とドコモの一体化を明確に禁止するよう要望しています。

NTTコミュニケーションズとNTTドコモの一体化についても、市場支配力の増大につながるとしたうえで、現在定められている禁止行為規制をさらに強化する必要があるとしています。

なお、今回の要望は総務大臣宛に提出していますが、場合によっては公正取引委員会への申告も検討します。現在進行中のTOBに関しては『止める手立てはない』(KDDI 岸田氏)としています。

また、現在もNTTはNTTドコモ株の66%を保有していますが、ソフトバンクの担当者は『66%と100%では全く異なる。これまでドコモは上場しているので、NTT以外の株主を意識した経営を考えなければならなかった。(中略) 完全子会社化によって、ドコモは一般の株主を意識しなくてよくなる。それによって、NTTの考えに基づくような経営方針に舵を切る。よりNTTのコントロール力が強まっていく。それに伴って、現行の各種ルールを守っていくようなインセンティブが薄れていく。そういったことを懸念している』と述べました。