Jeremy Christensen via Getty Images
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米国防総省(DoD)が、マイクロソフトとの間で契約を締結したものの、米Amazonが米国請求裁判所に契約差し止めを申し立てて”待った”をかけ、立ち往生状態となっていた「JEDI」ことJoint Enterprise Defense Infrastructureクラウドの開発契約を中止すると発表しました。

ただ、JEDIプロジェクトとしてのマイクロソフトとの契約は中止するものの、依然として独自のエンタープライズ規模のクラウドを求めていると述べ、新たなクラウド開発プロジェクト「Joint Warfighter Cloud Capability(JWCC)」を発表しました。この契約に関しては、マイクロソフトとAmazonが依然として有力候補であるものの、それ以外からも提案を募り、それぞれが報酬を得られるようにするだろうと述べています。

JEDI契約は、国防総省のIT業務全般の近代化を目的として、10年の契約期間を見込んでいました。そして、2019年にこの契約をマイクロソフトが勝ち取りましたが、市場のリーダーである米Amazonが、DoDの決定を不服として裁判所に訴訟を起こしていました。Amazonは、CEOのジェフ・ベゾス氏が当時のトランプ大統領に対して批判的な立場を取るWashington Postを所有していることから、大統領からの「紛れもないバイアス」があったと主張していました

今回の契約の中止について、マイクロソフトの規制産業担当VP、トニ・タウンズ=ウィットリー氏は、「プロの調達スタッフが慎重に検討した結果として、マイクロソフトの技術がニーズに最も適していると国防総省が判断したという事実は、一度ならず二度目も変わりません。また国防総省の監察官が、調達プロセスに干渉したとの証拠はないと判断したことも変わりはありません。さらには、国防総省や他の連邦機関、そして世界中の大企業が、クラウドコンピューティングとデジタルトランスフォーメーションのニーズをサポートするために、定期的にマイクロソフトを選択しているという事実もまた、変わりません」とコメントしています。

一方、Amazonのクラウドサービスを担うAWSの広報担当者は「国防総省の決定を理解し、同意します。残念ながら、今回の契約締結は提案のメリットに基づくものではなく、政府調達とは異なる外部からの影響によるものでした」と述べ、今後もAWSはDoDに協力して行くことを約束するとしています。

なお、DoDはあくまでAmazonからの訴訟が原因で契約を中止するのではないと述べ「この数年で大きく状況が変化し、それに伴いニーズも変化した」ためだとしました。

ちなみにDoDは、今回の契約に参加するクラウドベンダーは、未分類、秘密、最高機密の3つの分類レベルすべてに対応していること、世界中で利用可能であること、最高レベルのサイバーセキュリティ管理を行っていることなどといった基準を満たす必要があると述べています。また契約期間は、基本としての3年とそれが経過してからの1年間の延長オプション2回分が用意されており、最長で5年間を想定しているとしました。

国防総省のジョン・シャーマン最高情報責任者代理は、JWCCについて「我々の長期的なアプローチへの橋渡になる」ことを期待していると述べています。

Source:DoD

via:CNBC