[名称] DRU-500A
[種類] DVD±R/RW
[記録方法] 有機色素(追記型)、相変化記録(書換型)
[サイズ] 146×192×41.4mm
[容量] 4.7GB
[接続] ATAPI
[電源] 5V/12V
[登場年] 2002年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「DRU-500A」は、ソニーが開発したDVDドライブ。最大の特徴は、DVD-R/RWとDVD+R/RWの両方に対応し、どちらにも書き込み、書き換えが可能になったことです。

今、この話を聞いても「それのどこがすごいの?」となると思いますので、当時の状況を少し説明しておきましょう。

1995年、規格争いによる乱立を避けるため、業界統一の規格団体としてDVDコンソーシアム(後のDVDフォーラム)が設立されました。この団体によって策定された記録可能なDVDが、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAMという3つの規格。映像家電では、基本的にこの3つの規格が使われることになります。

PC向けドライブはDVD-RAMがその先陣を切り、1998年に片面容量で2.6GBというドライブが登場。その後、片面4.7GBにまで容量アップしたドライブが登場しています。ただし、このDVD-RAMはDVD-ROMとの互換性はありません。

DVD-ROMと互換性のあるDVD-RとDVD-RWに対応したPC向けドライブは、2001年から本格的に普及が始まり、6月にパイオニアのDVD-R/RWドライブ「DVR-103」を採用した製品、そして7月にパナソニックのDVD-RAM/Rドライブ「LF-D321JD」が発売されています。

ここまではDVDフォーラムによる規格だけなので、それほど混乱はなかったのですが、問題は2001年の9月。リコーのDVD+RWドライブ「MP5120A」が登場したことです。

DVD+RWという規格は、DVDフォーラムに少なからぬ不満を抱くソニーやフィリップス、リコーなどが設立したDVD+RWアライアンスによるもの。

当時の書き込み速度は、DVD-Rで2倍速、DVD-RWで等速、DVD-RAMで2倍速(ベリファイ込みなら等速)というものでしたが、DVD+RWは2.4倍速と登場時から上回っていたのが強み。また、DVD-R/RWドライブが登場時9万円台だったのに対し、DVD+RWドライブは登場時から5万円台と安かったこともあり、かなり強力なライバルとなりました。

とはいえ、基本的にはDVDフォーラムとは別団体の規格となるため、DVD-ROMとの互換性の面では不安が残ります。しかし、DVDビデオを作るのではなく、PCのデータ用として使うのであれば気にする必要がありません。純粋に、速くて使いやすく、そして安いというDVD+RWのメリットが享受できます。

当初懸念されたメディアの供給もしっかりとされ、さらに、より低価格なDVD+Rが登場すると、DVD-R/RWと勝負できるまでに存在感を増しました。このDVD+R/RWの登場によって、規格争いを避けたはずのDVDで、規格争いが起こるという状況になってしまいました。

規格争いが起こると困るのがユーザーです。DVD-R/RWドライブを選べばDVD+R/RWは書き込めませんし、その逆もまたしかり。メディアの価格とにらめっこしつつ、どちらのドライブを買うべきか、悩みに悩む必要がありました。

そんな混乱した状況が1年ほど続いた後、2002年の10月に登場したのが「DRU-500A」です。このドライブなら1台でDVD-R/RWもDVD+R/RWも読み書き可能となるため、ユーザーがどのメディアを選ぶのかで悩む必要がなくなりました。「DVD-Rのメディア買ってきて」とお使いを頼み、DVD+Rを買ってこられても困らなくなったのです。

ということで、そんな画期的なドライブだったDRU-500Aを見ていきましょう。

5インチベイ用の内蔵ドライブで、DVD+R/RWが2.4倍速、DVD-Rが4倍速、DVD-RWが2倍速と、当時のドライブとしては最速クラスとなっていました。後にファームウェアの更新で、DVD+Rも4倍速へと高速化されています。

ベゼルは、銀色の梨地に透明な樹脂がかぶせてあるという凝ったデザイン。ドアのようにパカッと開くのではなく、トレーに固定されているタイプです。

インターフェースはATAPI。SATAが主流になる前に使われていたもので、HDD用のATA(IDE)を拡張し、リムーバブルドライブなどHDD以外でも使えるようにした規格となります。

40ピンのフラットケーブルを使って接続するので、着脱は結構大変です。1本のケーブルで、ドライブを2台まで接続できました。ちなみに、1台目はマスター、2台目はスレーブと呼ばれますが、今だと言葉狩りにあいそうですね。

ついでに、40ピンのフラットケーブルと、SATAケーブルの比較です。SATAのおかげで、ケーブルの取り回しがずいぶんと楽になりました。

このDRU-500Aの登場からDVD±R/RW対応が当たり前となり、ユーザーは違いをあまり気にせずにドライブが選べるようになりました。また、DVDプレーヤーなども(厳密にはDVD規格ではない)DVD+R/RWへと対応するものが増え、DVDビデオ作成においても気にせず使えるようになっていきました。例えば、PlayStation 2は2003年5月発売のSCPH-5000から記録型DVDの再生に対応するようになりましたが、これはDVD-R/RWだけでなく、DVD+R/RWもサポートに含まれています。

ところで、DRU-500Aの後継モデルとして「DRU-500AX」という製品があります。基本的なハードウェアはそのままに、最初からDVD+Rの4倍速書き込みに対応したもので、ほぼ、DRU-500Aのファームウェアを更新したものと同じです。外見は変わりないので、今回、このDRU-500AXをDRU-500Aとして紹介しました。ご了承ください。

連載:スイートメモリーズ

参考:

DRU-500A, Sony
DRU-500A/DRX-500UL用「DVD+R」の4倍速記録対応ファームウェアのリリース開始, Sony
本命登場!? 初のATAPI内蔵型DVD-RWドライブ「DVR-103」がデビュー!!, ASCII.jp
DVD+RW対応のリコー製ドライブ「MP5120A」が明日登場!発売ショップと店頭価格を一挙公開!!, ASCII.jp